馬息嶺スキー場南北合同練習に参加する韓国選手団を乗せたアシアナ航空チャーター便が先月31日午前10時43分、江原道の襄陽空港を離陸した。南北は同17日の次官級実務会談で馬息嶺スキー場南北合同練習に合意し、同23日から25日までの韓国政府先発隊訪朝では北朝鮮側と詳細な日程調整を終えていた。しかし、韓国政府はチャーター便が襄陽空港を離陸する直前まで馬息嶺訪問日程を正式発表していなかった。強力な対北朝鮮航空制裁を実施している米政府から最終的な「OKサイン」をもらっていなかったためだ。

 韓国統一部(省に相当)は当初、30日午前に馬息嶺スキー場の合同練習日程を発表する予定だった。31日午前に襄陽空港を出発して午後には自由にスキーをし、2月1日午前にアルペンスキー親善試合とクロスカントリー合同練習を行った後、午後韓国に戻るという内容だった。ところが、統一部は「最終調整中」という理由で発表を午後に遅らせ、それ以降も音さたがなかった。

 それはなぜかと言うと、米国からの回答がなく、統一部がメディアにも北朝鮮側にも「明日朝、飛行機が出発する」という発表・通知ができなかったからだ。通常は夕方に終わりとなる南北の板門店連絡チャンネルだが、この日は真夜中過ぎまで待機状態だった。統一部周辺では「このままでは北朝鮮は馬息嶺合同練習も取り消すのではないか」ともささやかれた。北朝鮮は金剛山合同文化行事も前日夜に一方的に中止した。韓国政府関係者は「米国の許可を待っているという理由で最終通知をしてこない韓国に対し、北朝鮮がイライラを募らせて取り消す可能性があった」と話す。31日朝もこうした状況は続いた。午前7時ごろから統一部当局者たちの間で「チャーター便を飛ばすのは難しそうだ。バスで移動するかもしれない」「馬息嶺の南北合同練習は先行き不透明だ」という言葉が漏れた。そして、こうした状況を報じる記事も出た。

 流れが変わったのは午前8時ごろだった。やっとのことで米国との調整がついたのだ。統一部当局者は同8時50分、記者らに「韓国選手団は午前10時に襄陽空港を出発する」と正式発表した。

 今回の韓米間で難航した「チャーター便訪朝計画」は、韓国政府先発隊の訪朝(23日-25日)後に決まったという。当初は陸路訪朝が有力だった。だが、先発隊に加わっていた統一部当局者は「金剛山から馬息嶺まで約100キロメートルだが、実際に車で行ってみたら4時間以上かかった。舗装道路だが、舗装状態が悪く車がまともに走れない状況だった」と語った。東側陸路で訪朝すれば1泊2日での行事が難しいと判断、急きょチャーター便で行くことにしたのだ。

 しかし、チャーター便が戻ってくる際に平昌五輪に参加する北朝鮮選手を乗せてくることになったため、米国が難色を示したと見られる。

 韓国政府はこの件で困難を来すことをほとんど予想できていなかったと言われる。ワシントンの外交消息筋は「米国は強制労働や制裁違反の結果であり、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の政治的事業である馬息嶺スキー場で南北が共同行事を行うことそのものに大きな抵抗を感じていた。制裁緩和を狙う北朝鮮の意図に韓国政府がはまりつつあるのではないかという懸念もかなりあった」と話している。

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