毎年1月に開かれる世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)はまるで「国家セールス」の五輪だ。今年も70カ国余りの首脳が「世界の1%」を代表する企業経営者約2000人を対象に自国のセールスに力を入れた。ダボスではこの「1%」の経済人が世界経済の80%を牛耳ると公然と言われている。

 五輪にも予選と本選があるように、ダボス会議も厳しい競争を通じ、中央の舞台に出場する選手が決まる。昨年度の経済の成績表が主な選定基準だ。起業しやすい国をつくった指導者には華やかなスポットライトが当てられ、それとは程遠い指導者には退屈な時間と後方の舞台が待っている。

 今年真っ先に中央ステージに上がったのは、インドのモディ首相だった。主催者がモディ首相に開幕演説を依頼したのは、過去4年間にわたる彼の経済改革がかなりの成果を上げた証拠だ。モディ首相は在任中にインドを変えるから投資してほしいと露骨に呼び掛けた。税制改革を断行するとともに、中央政府と地方政府が協力し、外国企業の活動空間を保障するとした。2025年までに13億人規模のインド経済を5兆ドルにまで拡大するという抱負も明らかにした。中国でやられた韓国の企業経営者は耳をそばだてた。

 労働規制で悪名高いフランスのマクロン大統領は、メーンステージで「フランスが返ってきた」と叫んだ。彼は規制見直しを通じ、フランスの競争力を高めることを最優先に掲げ、「投資先にフランスを選んでほしい」と述べた。欧州連合(EU)と「離婚」手続き中の英国のメイ首相ですら、英国政府の技術企業優遇政策などをアピールし、企業誘致に血眼になった。

 今年のダボス会議の金メダルはトランプ大統領だ。彼はダボスで法人税減税政策、規制撤廃などの親企業政策で米国株式が急伸していることを自慢し、「私は企業のチアリーダーだ。アップルなど海外に進出した米国企業だけでなく、米国に進出する外国企業は誰とも友人だ」と述べた。グローバル企業の代表15人との非公開の夕食会では「現在3%台の米国の経済成長率を6%まで引き上げられる。規制撤廃のコストを米国が負担するから、米国に投資してほしい」と訴えた。

 一方、イタリアのジェンティローニ首相は注目を浴びなかった。世界8位の経済大国の首脳だが、企業のためにやったことが特にないからだ。「イタリア経済は一流だが、政治は四流」というのが欧州では常識だ。代表的企業のフィアットは「政界発」の規制に耐えられず、本社をオランダに移転し、税金は英国で払っている。既に4年が過ぎたが、イタリア政界はフィアットを呼び戻そうともしない。

 ダボス会議の期間中、韓国のセールスは平昌五輪が中心だった。幸か不幸か韓国国内で論議を呼んでいる最低賃金引き上げ、労働時間短縮、非正社員の正社員転換、不動産政策などいは北朝鮮問題に隠れ、言及すらされなかった。世界経済を左右する1%の企業人が唯一関心を示したコリアイシューは収監されている李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長が釈放されるかどうか程度だった。

 英フィナンシャル・タイムズの首席経済評論家は「世界で韓国のような経済的成功を収める国が再び登場するのは難しい」と述べた。それほど奇跡のような成果だ。しかし、乾いた原っぱに火がつけば、家が燃えるのはあっという間だ。世界は首脳自らが将来の競争力を確保しようと必死だが、韓国は過去にばかりこだわっている。

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