平昌オリンピックのボランティアを務める大学生のAさん(女)=20=は最近、宿所で大変驚いた。午後の出勤に向け昼の12時ごろトイレのシャワーを使用したところ、冷水しか出なかったのだ。かなり待ったものの温水が出ないため、宿所に確認したところ、「昼の12時から4時まで(午前0時から午前4時を合わせて1日計8時間)は温水供給が絶たれる」との回答が返ってきた。Aさんは仕方なく「冷水」のシャワーを浴びた。「(体感温度)マイナス20度の寒さで温水の出る時間帯が制限されているなんて、話にならない。自分の金を出してまでここに泊まろうとは思わない」と不満気味だった。

 同じく平昌でボランティアを務めるBさん(24)は、オリンピックの期間中、宿所がある束草から勤務地のアルペンシア・リゾートまで往復3時間の距離を通勤する。Bさんが宿所の変更を申し出たものの、平昌オリンピック組織委員会は「さまざまな状況を考慮した上で割り当てたため、宿所の変更は難しい」との立場を示した。勤務時間に移動時間を加えると、1日に12時間以上にもなるというBさんは「やる気を持って志願したボランティアだが、勤務条件は思ったよりきつそうだ。オリンピックはまだ始まってもいないのに、すでに心が折れている」とつぶやいた。

 世界的な冬季スポーツの祭典を目前に控え、平昌のボランティアが「きつい職種」の一つとして浮上している。オリンピックの「花」であるボランティアに対するひどい待遇や勤務環境の問題が、大会の幕開け前から取り沙汰されている。平昌オリンピックのボランティアのためのフェイスブック・ページ、大統領府の国民請願掲示板などには「ボランティアたちは使い捨てか」「待遇の改善が必要だ」などの書き込みが数百件アップされている。平昌オリンピックには約1万5000人のボランティアが参加するが、1月31日までに全体の半数がすでに現場に投入されている。

 ボランティアたちが最も問題視しているのは宿所だ。ボランティアたちは、平昌や江陵地域を含む計38カ所の宿所に別れて宿泊する。そのほとんどの宿泊施設には大きな問題がないが、一部は非常にひどい状況だ。中でも、江原道横城郡のC宿所が代表的だ。暖房は比較的良好だが、温水の供給時間が決まっていて、宿所の1階には洗濯機がたったの3台しか置かれていない。C宿所に泊まっているあるボランティアは「会場での勤務を終えて帰ってくると、皆洗濯するために、自然と戦争になる」という。現在約100人が宿泊しているが、状況は変わっていないという。オリンピックが開催されれば、500人を超える人員が同宿所で宿泊(5人部屋)するようになる。「洗濯機の取り合い」がさらに悪化するのは火を見るよりも明らかだ。このほか、防音設備が全く施されていない部屋、トイレの悪臭、害虫などの不満が寄せられている宿所もある。

 「長距離通勤」も、ボランティアには大きな負担だ。勤務地と宿所間の距離が往復2、3時間にもなるボランティアが少なくない。あるボランティアは「同じ勤務地から離脱者が出たため、その空白を埋めるためにこれまでより1日1、2時間も長く働いている」とした上で「宿所が遠いため、帰ってくるとすぐに眠ってしまう」と厳しい状況に触れた。また、バスの配車時間帯が定まっていないため、特定の時間帯に搭乗者が殺到するケースが茶飯事だ。最近あるシャトルバスには、多数のボランティアが押し掛けたため、一部のボランティアが2時間にわたって立席でバスに乗るといったケースもあった。組織委は慌ててバスを追加配車したものの、2月に本格的にボランティアが投入されれば、同じような出来事が再び起こることが予想される状況だ。このほかにも、ネット上では一部のボランティアに提供された水準以下の食事が問題となっている。

 ボランティアたちは「もてなしを受けるつもりはないが、最低限の待遇はしてくれたらと思う」と口をそろえる。あるボランティアは1月13日、大統領府の国民請願掲示板に「多くの若者が国家的大会が大成功することを願って奉仕している。見返りを求めようとは思わないが、生活する上で不便なことがないよう改善することが必要だ」と書き込んだ。60代のボランティアは「指定されたことが受け入れられないなら、ボランティアの資格を取り消してもいいという組織委の大きな態度には、ボランティアから不満の声が上がっている」と書いた。組織委側は「全ての問題を解決するのは現実的に難しい。急を要する問題から解決するよう努力する」と回答した。

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