平昌オリンピック開会式の前日となる8日、結局北朝鮮は軍事パレードを強行した。しかしその様子を見ると、昨年の故・金日成(キム・イルソン)主席の105回目の誕生日に行われたものと比べ明らかにその規模は小さく、また時間も短かったようだ。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が権力を握って以降、軍事パレードが生中継されなかったのも今回が初めてで、海外のメディア関係者も招待されなかった。北朝鮮は平昌オリンピックを利用して国際社会による制裁を揺るがそうとしているが、そのような中で大規模な軍事パレードを行うのはむしろ逆効果と判断し、その規模を縮小したのだろう。しかし録画中継とはいえ米国を直接攻撃する大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14・15号」が公開されたのは事実だ。オリンピックによって世界の注目が韓半島(朝鮮半島)に集まるこの期間を利用し「韓半島の主人は核を持つ金正恩である」と宣伝したい意図は今も全く変わっていない。

 北朝鮮はオリンピック開会式当日も制裁を揺さぶるための行動をやめていない。北朝鮮は目と鼻の先にある元山を出発した貨客船・万景峰への燃料補給を韓国に求めたが、これは燃料がないからではない。北朝鮮への油類の持ち込みを制限する国連制裁に穴をあけるためだ。馬息嶺スキー場に特別機を飛ばさせたことや、また今回の万景峰の来韓によっても韓米両国の制裁に例外を認めさせた。さらに国連安保理制裁の対象となっている北朝鮮の崔輝(チェ・フィ)国家体育指導委員長を北朝鮮代表団に加えることで、国連制裁にまで例外を認めさせた。9日に専用機で仁川空港にやって来る金与正(キム・ヨジョン)氏も米国による独自制裁の対象だ。

 しかし北朝鮮がこれら一連の行動で自分たちへの制裁を揺るがすことができると考えているのなら、それは大きな間違いだ。対北朝鮮制裁を担当する米国のムニューシン財務長官は7日「今後数週間中に最も厳しい対北朝鮮制裁の一つを公表する」と明らかにした。米国のペンス副大統領も8日の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との会談で「北朝鮮が核兵器を放棄するその日まで、最大限の圧力を継続する」と明言した。

 文大統領は10日に北朝鮮の金与正氏、そして金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長と会うが、特に金与正氏は金正恩氏の親書を持ってやって来る可能性が高い。この親書にはおそらく韓国国内の対立や韓米関係に亀裂を生じさせる何らかの提案が記載されているだろう。しかしその内容が何であれ、文大統領は金正恩氏に「非核化以外に制裁を解除する方法はなく、このままだと制裁は今後も一層強化される」という事実をはっきりと伝えねばならない。北朝鮮が非核化に向けた決断を下さない限り、韓国は今後も制裁の先頭に立つしかないが、この点も北朝鮮にはっきりと伝えねばならない。金正恩氏は文大統領が核廃棄を諦め「核のある平和」へとかじを切ることに期待している。しかしそれが絶対にあり得ないことも同時に伝えねばならない。北朝鮮の核というがん細胞を平和的に除去する唯一の方法は北朝鮮に対する制裁しかない。そのため制裁を揺るがす行為は全て核問題の平和的解決を脅かすことにつながるのだ。

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