米国のドナルド・トランプ政権において代表的な北朝鮮対話派だった国務省のジョセフ・ユン北朝鮮政策特別代表(写真)が、今週末に辞任するという。CNNテレビなど米国メディアが26日(現地時間)に報じた。北朝鮮が米国との直接対話の意思を明らかにした状況で、逆に米国の対北朝鮮交渉実務代表が辞任するというのだ。
 国務省のヘザー・ナウアート報道官は「ジョセフ・ユン氏が個人的事情で引退を検討し、ティラーソン長官はやむを得ず彼の決定を受け入れた」と発表した。ユン代表は26日、CNNの取材で「この時点で引退することにしたのは、全くもって私自身の決定」と語った。ユン代表は駐米韓国大使館側にも「辞職(resign)ではなく引退(retire)」と、自らの立場を伝えたという。
 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が実妹の金与正(キム・ヨジョン)氏と金英哲(キム・ヨンチョル)労働党統一戦線部長を平昌オリンピックに送り、米国との対話の可能性を打診した時期に、ユン代表が突然辞任を決めたことをめぐっては、米国の北朝鮮政策が一段と強硬なものになるシグナルだという分析が多い。

 ロイター通信は昨年11月、ホワイトハウスの匿名の関係者の話を引用して「ユン代表は(トランプ大統領から)ドリーマー(夢見る人)と呼ばれている」と報じた。対話派のユン代表は、ホワイトハウスの強硬派と衝突し続けてきたという。ユン代表は26日、あるメディアの電話インタビューで「今後は、トランプ大統領の中心的側近で、大統領とうまく合わせられる人物が北朝鮮接触を行うのが望ましい」と語った。このため、ユン代表の突然の辞職の背景にはホワイトハウスがあるのではないか、という話も出てきている。

 ユン代表は北朝鮮交渉の重要性を強調し続け、ニューヨークの国連本部にある北朝鮮代表部など、いわゆる「ニューヨーク・チャンネル」を通して北朝鮮と対話のチャンネルを維持してきた。昨年6月には、北朝鮮に抑留されていた米国人大学生オットー・ワームビア氏の釈放のため平壌へ飛び、直接交渉を繰り広げたこともあった。

 

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