平昌五輪閉会式のドローンショーは、一歩間違えば不発に終わるところだった。天気が問題だった。突風が吹けば、ドローン同士が衝突するリスクが高い。リハーサル時にドローンが絡み合って落下したこともあった。閉会式当日には幸運なことに風が止んだ。開始数分前にようやく最終的なゴーサインが出た。300機のドローンが演出した「スホラン」(平昌五輪のマスコット)のシルエットが平昌の夜空を彩った。世界の注目を集めたドローンショーは紆余曲折を経た。

ドローンショーのコンテンツは韓国が製作した。しかし、技術は米インテルのものだったことが残念だ。当初演出チームは韓国のドローン業者を探した。しかし、信頼できる業者はなかった。約1000台のドローンを一つのプログラムで制御する能力を持った業者はなかった。結局平昌五輪の公式スポンサーであるインテルが採用された。多くの人がインテルは半導体企業だとばかり思っていた。インテルがドローンショーでも世界一流であることを初めて知ったという人が多かった。
 インテルが駆使したのはクラウド飛行技術だった。ドローンショーだけでなく、災害時の捜索や地図製作など広範囲に応用可能だ。韓国も基本技術は保有している。航空宇宙研究院がドローン20機まで集団飛行させることに成功した。しかし、予算不足で数十機レベルから進展していない。当初からドローンに投資していれば、平昌を空を彩り、世界の喝采を浴びたのは韓国の技術だったかもしれない。
 天候と共に最後まで障害となったのが規制だった。国内法では夜間にドローンを飛ばすことが原則的に禁止されている。五輪を3カ月後に控え、規制が緩和された。夜間でも当局の特別な許可があれば、飛ばすことができるようになった。それで平昌でのドローンショーも可能になった。しかし、許可を受けるのに最長90日もかかる。業界からはあってなきがごとき規制緩和だとの不満が漏れる。実際にこれまで夜間飛行が認可されたのは平昌五輪だけだ。
 数年前まで韓国のドローンの競争力は世界でも上位に属していた。現在は中国が圧倒的1位だ。韓国は追い付けないほど遅れてしまった。規制がドローンの障害になっているからだ。安全上の理由でドローンの都心での飛行も禁止されている。飛行許可を申請するためには、さまざまな書類と面倒な手続きが必要だ。官僚はなおも我関せずだ。規制で韓国のドローンが平昌の空を飛べなかったと報じられると、国土交通部(省に相当)は弁明に必死だ。技術力もあり、人材もいるのに、政界と官僚の規制のせいでドローンは敗戦の道を歩んでいる。

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