多くの人が「ホットスポット」に集まるが、そのうちいくつかは「長続きする場所」について悩んでいる。7、8年前、ソウル市竜山区梨泰院洞の経理団通りは突然、にぎわいを見せるようになった。チャン・ジヌさん(32)はレストラン「グランブルー」「マチルダ」「ムンオリ」を相次ぎオープンさせ、路地全体が「チャン・ジヌ通り」と呼ばれた。ホットなこの場所に多くの人が押し寄せ、経理団通りは一日中テーマパークのようだった。ところがそれは目の錯覚だったのではないかと思えるほど、ここは最近、閑散としている。2015年4月にレストラン「チャンコマ」をオープンしたイ・スンアさん(25)は「ホットだったのはほんの一時だけ。かつてはフードコートのように食事を提供して片づけるだけで忙しかったが、すぐに客足が鈍り、売り上げも大幅に落ちた」と語った。しかしそのころ、本当の反転が始まった。若者たちが再び集まるようになり、個性あふれる店を出し、この路地は次第に活気を取り戻していった。

 レストラン「1989ビストロ」をはじめ居酒屋や画廊など新たに10店舗余りができた。イさんは「今は経理団通りがホットでないのがいい。売り上げは一時に比べ20%減ったが、今はお客さま一人一人と目を合わせながら料理を提供することができて幸せだ。こうして小ぢんまりとした店を長く続け、根づいていければと思う」と語った。

 「嫌ホット・シンドローム」は「有名になりたくない」「有名な場所にはいきたくない」という心理だけに終わらない。今や「ホットになるより長続きしたい」という目標を持って店内空間やサービスを整える人たちが増えている。ソウル市鍾路区三清洞のカフェ「Bodre Andamiro」の主人キム・ジヨンさん(43)もそうだ。最近は「もう飽きた」と言われることもある三清洞で、キムさんは若い画家たちの絵を展示し、毎週水曜日に小さな音楽会を開催している。キムさんは「フランチャイズの森になってしまった三清洞だが、路地のあちこちにまだ草花のような店がある。私たちもそうなりたい」と語った。

 地域文化の企画を手掛けるソル・ジェウさん(37)はソウル・西村が注目を集めるようになり、幼いころよく通っていた「ヨン・ゲームセンター」が消える危機に陥ると、ビル所有者を説得し、クラウドファンディングを利用して、一昨年その場所に「オクイン・ゲームセンター」をオープンした。セレクトショップ「オクイン商店」、展示文化空間「瞥眼間」も、同じやり方で出した店だ。ソルさんは「米国ミシガン州の古いドーナツ店が閉店することになったとき、警察官たちがお金を出し合い、店を救ったのを目にした。ホットなのは疲れるし負担だが、小ぢんまりと長年続いているのは気が楽で親しみがある。私たちには今や、馴染み深く親しみのある場所が必要だ」と語った。

 慶尚南道南海郡三東面に最近、コンセプト書店「バゲットホテル」をオープンしたデザインスタジオも、長続きさせるため南海郡に移ってきた。ここの作家キムさんは「相対的に人々がさほど集まらなくても、コツコツと仕事ができる場所を求め、何回にやって来た。いくら時間が流れ、流行が変化しても、いつも同じ場所にある店を夢見ている」と語った。

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