文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、5日に北朝鮮に特使団を派遣することを決めたが、特使団派遣を通じて米朝対話の「仲介」を試みる文大統領の構想に対し、米国内で懸念や疑問の声が上がっている。特に「韓国は(米朝の間で)仲介役を務める」「米国も対話のハードルを下げる必要がある」といった文政権の北朝鮮をめぐる方針について、疑問の声が米国政界の内外で広がっている。

 韓米関係に詳しい外交筋は「『韓国政府が仲介役を務めると言う理由が分からない』と話す人間が米国側には少なくない」として「韓国も北朝鮮核問題の直接の当事者なのに、米朝間の交渉の仲介ばかりしている。それは非核化達成には関心がないという意味なのか、分かりにくいという声も出ている」と話した。

 韓国政府から米国に対して「対話のハードルを下げよ」というメッセージが発せられていることについても、不満の声が上がっていることが分かった。安全保障関連省庁の元当局者は「『韓米が一丸となって北朝鮮に非核化を求めてもまだ不十分なのに、韓国は米国の対話条件について文句を言っている』と考える雰囲気が米国政府内外で形成され始めている」と話した。これは、今の韓国政府が同盟国の米国よりも北朝鮮に傾倒していることへの不満と解釈できそうだ。

 米国政界の雰囲気に詳しい別の外交筋は「米国は『非核化』という対話のハードルを下げるつもりはなく、韓国の仲介による対話よりも北朝鮮との直接対話を望んでいるはずだ」と話した。この外交筋は、マーク・ナッパー駐韓米国大使代理が先月28日の記者懇談会で、北朝鮮に向けて「対話の目標は非核化でなければならず、そのような対話をする意思があるならば米国に直接連絡せよ」と発言したことについて「ホワイトハウスの方向性を正確に把握した上での発言だ」と指摘した。

 これに関連し、米議会上院・下院軍事委員会の代表団を率いて来韓したジェームズ・インホフ上院議員(共和党)は3日(現地時間)、米国のラジオ放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」の電子メールのインタビューで「(軍事委の訪韓は)北朝鮮の実質的な脅威をしっかり見詰めるよう韓国に促す機会だった」と述べた。インホフ議員は最近、米議会で「韓国は北朝鮮問題で軟化し、北朝鮮の脅威をさほど深刻に感じていないようだ」と発言したという。その発言が事実かどうかを尋ねたVOAに対し、インホフ氏の議員室は「(発言内容は)正確だ」と回答した。つまり、米議会の有力議員が、文政権の北朝鮮をめぐる対応と構想について「ぬる過ぎる」と感じており、来韓した際に韓国政府に対し、北朝鮮の核・ミサイルの脅威を甘く見ないよう促したというわけだ。

 インホフ議員はまた「今回の訪韓は、北朝鮮が核・ミサイルの開発とテストを続けている中で行われたため、とりわけ重要だった」として「韓米首脳が(最近の電話会談で)北朝鮮とのいかなる対話も『完全かつ検証可能で不可逆的な非核化』という目標を持って実現されなければならないとの意見で一致したことをうれしく思う」と述べた。

 米国政府も、韓国の対北対話ムードとは関係なく、北朝鮮への制裁と圧力を続ける考えを明確にしている。米国務省は2日(現地時間)「北朝鮮の化学兵器使用に関する決定」を5日付の米政府連邦官報に掲載すると予告した。昨年2月にマレーシアのクアラルンプール国際空港で金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄の金正男(キム・ジョンナム)氏が猛毒性の神経剤「VX」によって殺害された事件について、米国政府が「北朝鮮による化学兵器使用」と正式に断定したとことを意味する。これにより米国が北朝鮮に追加制裁を加えることも予想される。

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