韓国検察が6日、李明博(イ・ミョンバク)元大統領を被疑者として取り調べるという方針を明らかにしたことにより、韓国歴代の元職大統領11人のうち5人が、大統領職から退いた後、検察の取り調べを受けることになった。しかも、現在存命中の元職大統領4人のうち2人は死刑もしくは無期懲役の言い渡しを受け、1人は身柄を拘束され、残る1人も司法処分を受ける危機に直面している。

 韓国憲政史は「元職大統領受難の歴史」である、とよく言われるくらいに韓国の元職大統領の末路は不幸だ。初代の李承晩(イ・スンマン)元大統領は、1960年の3・15不正選挙の後、4・19革命が起こると米国ハワイに亡命した。ユン・ボソン元大統領は1970年代、「3・1救国宣言事件」など各種の民主化運動を背後から操ったと目され、3回にわたって司法処分を受けた。ただし、刑の執行免除などにより収監はされなかった。

 朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領は、79年に側近の金載圭(キム・ジェギュ)中央情報部長(当時)により撃たれて死亡した。朴大統領の死後7カ月間在職した崔圭夏(チェ・ギュハ)元大統領は、89年12月の国会光州特別委員会の出席要求や任意同行命令などを全て拒否し、国会侮辱罪などで刑事告発された。ただしその後、起訴猶予処分を受けている。

 全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領は、軍事反乱などの容疑で95年に故郷の慶尚南道陜川から捜査官によって連行され、身柄を拘束された。全・元大統領は死刑を言い渡されたが、その後減刑された。盧泰愚(ノ・テウ)元大統領も95年、収賄や軍事反乱などの容疑で身柄を拘束され、無期懲役の言い渡しを受けたが、後に赦免を受けた。

 親類や側近など、大統領周辺の人物が処罰されるケースも少なくない。金泳三(キム・ヨンサム)元大統領は、息子の賢哲(ヒョンチョル)氏があっせん収賄の容疑で身柄を拘束された。金大中(キム・デジュン)元大統領は、息子の弘一(ホンイル)氏、弘業(ホンオプ)氏、弘傑(ホンゴル)氏が各種の請託に関与して司法処分を受けた。退任後は、北朝鮮送金疑惑で特別検察官の捜査を受け、朴智元(パク・チウォン)議員など側近が身柄を拘束されるという事件もあった。

 盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は2009年、収賄などの容疑で検察が捜査中、自ら命を絶った。盧・元大統領は就任前から親類の不正根絶を公言していたが、避けることはできなかった。朴槿恵(パク・クンへ)前大統領は、大統領の親類による不正を監察する特別監察官制度を導入したが、「崔順実(チェ・スンシル)事件」で17年に弾劾された。収賄、職権乱用などの容疑で身柄を拘束され、来月の一審判決言い渡しを待っている。

 李明博(イ・ミョンバク)元大統領は「歴代で最も道徳的な政権になる」と言っていた。だが在任中、兄の李相得(イ・サンドゥク)元議員など親類・側近の不正について何度も謝罪し、今度は本人まで取り調べを受けることになった。退任からたった5年だ。韓国の大統領は誰も、憲政史に無傷の姿では記録されていない、という指摘がある。

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