20日に実施された自民党総裁選は、日本の政界で安倍晋三総裁(首相)による「一強体制」がさらに強まっていることを確認するものだった。安倍首相は自民党総裁に3選され、2021年9月まで内閣を率いることになった。

 安倍氏は6年前の自民党総裁選で石破茂元防衛相に決選投票の末、何とか当選を果たした。しかし、今回は異なった。安倍氏は国会議員票(405票)、党員票(405票)でそれぞれ329票、224票を獲得して圧勝した。投票総数の68%に相当する553票を得て、254票にとどまった石破元防衛相を抑えた。安倍氏が早期に細田派をはじめとする5つの派閥から支持を取り付け、全国を回って支持を呼び掛けた結果だ。

 安倍総裁の3選はアベノミクス効果もあり、予想されていた結果だった。安倍氏は大胆な量的緩和、機動的な財政政策を駆使し、それまで20年にわたって停滞していた経済の雰囲気を変えることに成功した。今年の大学生の就職率は98%に達し、不動産価格は27年ぶりに上昇に転じた。企業の研究開発投資は過去最高を記録した。安倍氏は19日の最後の街頭演説でも「900万人にとどまっていた外国人観光客が3倍に増え、正規雇用の有効求人倍率が過去最高となり、5年間で中小企業の倒産件数が30%減少した」と強調した。

 安倍氏は公文書改ざんをはじめとする私立大学認可を巡るスキャンダルに見舞われ、他の政治家であれば脱落していたであろうが、スキャンダルを全て葬り去った。安倍氏は森友学園が国有地を相場の15%という安値で取得した事実が明らかになったことで危機に追い込まれた。森友学園の理事長と昭恵夫人が親しい関係にあり、財務省の関連文書が改ざんされた事実も明るみに出た。さらに、加計学園の獣医学部新設で便宜を図ったとされる疑惑も高まった。このため、安倍首相の支持率は急落したが、総裁選には影響を与えなかった。

 安倍首相は2006年に自民党総裁になり、戦後最年少の首相という記録を立てた。来年には明治、大正時代にかけて2886日在任した桂太郎元首相を抜き、在任期間が歴代最長となる見込みだ。

 安倍首相はさらに強まった支持を土台として、「自衛隊改憲」に取り組むことを明確にしている。太平洋戦争敗戦の産物として1946年に制定された現在の日本の平和憲法は「戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権否定」が特徴だ。これを憲法9条で明確にしている。平和憲法を巡っては幾多の論争があったが、これまで一字も改正されていない。歴代のどの首相も内外からのけん制を恐れ、憲法改正に真っ向から取り組むことができなかった。

 しかし、安倍首相は異なる。条項は維持するが、自衛隊の根拠と機能を明記するとの立場だ。安倍首相は「90%の国民が自衛隊の役割を評価している」と主張している。秋の臨時国会に憲法改正案が提出されるとの見方もある。まだ憲法改正を支持する世論は強まっていない。共同通信が先月末に実施した世論調査によると、今回の臨時国会に憲法改正案を提出するという安倍首相の意向について、49%が反対し、賛成は36%だった。このため、安倍首相の動きは「改憲ギャンブル」だという評価も聞かれるが、「強い日本」を目指す安倍首相が任期内に憲法改正を推進することは確実とみられる。

 安倍首相は3選を踏まえ、国際社会でも自身と日本の役割を新たに定義しようとしている。安倍首相は韓日関係の改善に大きな関心は抱いていないとされる。2015年に自身を支持する日本の保守層の反対を顧みず、「慰安婦合意」に達したが、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権がそれを事実上破棄したことを不快に思っている。特段の措置がない限り、韓日関係は現状が維持される可能性が高い。

 安倍首相は日中関係を確実に改善したい構えだ。最近ウラジオストクで中国の習近平国家主席と会った安倍首相は、10月23日ごろに中国を公式訪問し、これまでよりも踏み込んだ宣言を行うとの観測がある。総裁選の選挙運動で「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に直接会う」と公言してきた安倍首相は、年内の北・日(日朝)首脳会談を想定している。既に安倍首相が信頼する北村滋内閣情報官を通じ、北朝鮮との間にホットラインを開設したとの話もある。

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