借金で追い詰められた企業や個人が最後に訪ねる再生裁判所(韓国語で回生法院)が混雑しているという。債務の調停、破産手続きを進める裁判所が混み合うということは、景気低迷と不況が進行している証拠だ。会社更生手続きの申請件数は2016年以降減少していたが、今年に入り増加に転じ、10月は前年同月を8%上回った。会社再建の可能性がないと判定された会社破産は668件で、過去7年で最多だった。個人の再生手続き申請も14年以降減少していたが、今年に入り10%以上増えた。

 22年間経営してきた会社の再建を求め、会社更生手続きを申請した中小建設会社の経営者は、裁判所で「生死を懸けて育て上げた会社なので、どうにかして再建を認めてほしい」と訴えたが、会社更生手続きの開始は認められなかった。景気低迷で工事の未収代金が140億ウォン(約14億円)に膨らむ中、人件費や資材費の上昇に持ちこたえられなかった。勤続10年以上の社員33人のうち27人を解雇したが、営業の再開は難しそうだ。保険外交員として働いていた30代の人は、景気低迷で保険解約者が増え、7000万ウォンの借金を背負った。現在は月給170万ウォンのアルバイトをしており、「再起のチャンスがほしい」と訴えた。住宅賃貸保証金ローン、生活費ローンで膨らんだ1億5000万ウォンの借金を払えなくなったという30代のコンピューター修理技師、生後間もない赤ちゃんを背負ってきた20代の人などが裁判所を埋め尽くしていた。

 今年1-7月に廃業した自営業者は83万人に達する。通年では史上初めて100万人を超える見通しだ。今年上半期にはフランチャイズ事業者の設立より廃業の方が多かった。過去30年余りで初めてだ。フランチャイズ加盟店は23万店舗を超え、140万人が従事している。フランチャイズ事業者が減少すれば、退職者が生活の基盤としてきたフランチャイズ加盟店も減ることになる。ソウルの江南地区、京畿道の板橋、盆唐地区など立地条件が良い商圏でも権利金を放棄し、店をたたむ自営業者が増えている。
 急激な最低賃金引き上げで、飲食店の従業員、コンビニエンスストアのアルバイトといった労働弱者が雇用機会を失っている。人件費負担に耐えかね、従業員やアルバイトを解雇した自営業者は、「週52時間労働時代に自分たちは100時間働いて暮らしている」と嘆いた。

 20年前の通貨危機当時は、大企業が先に倒産したが、現在は中小企業、自営業者が直撃を受けている。一部の輸出大企業が好況なのを見て、大統領は「マクロ指標は堅調なのに、市民生活は苦しい」と述べた。与党代表は「これまでの公職生活で経済がうまくいっているという話を聞いたことがほとんどない」と語った。白々しいことを言わないでもらいたい。輸出大企業のおかげで経済成長率は2%台半ばを維持しているが、庶民経済は通貨危機当時よりも厳しいという悲鳴が聞こえ始めた。そんな悲鳴が聞こえないのだとすれば、もはや政府ではない。

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