▲東京=李河遠(イ・ハウォン)特派員

 日本国際問題研究所の佐々江賢一郎理事長は、外務事務次官や駐米大使を務めた人物だ。佐々江氏は先月、朝日新聞主催で韓国外交部(省に相当)の元高官A氏と韓日関係に関する対談をした。司会者が「今の後輩たちに思うところはありますか」と聞くと、A氏は「気の毒だ。韓国も日本も、外交に関する権限が低くなっている時代」と答えた。

 すると、佐々江氏は「私は日本外務省の士気が下がっているとは思わない」「(日本)外交官は自ら蓄積した知見を政府内にも外にも堂々と伝えていく。それがプロの意識だと思う」とすぐさま反論した。

 ほぼ同じ時期、中堅の日本人コラムリストが韓国外交部と日本の外務省を比較するコラムを書いた。韓国外交部では駐日大使館の志願者が減っているが、日本の外務省ではソウル勤務が依然として人気だという。ソウルに勤務する日本の女性外交官2人に会い、「本当に頼もしい」と感じたことも紹介していた。このコラムリストは「相手をしのぐ情熱がなければ相手を圧倒できない」と書いた。

 日本の元外務次官やコラムニストの表現には、自国の外交官に対する信頼が込められている。2012年に安倍晋三首相が就任して以降、日本の外務省の影響力は下がっているという見方もあるが、そういう否定的な見方はそれほど多くはない。

 こうした人々が見て感じている通り、日本の外交官たちが意気消沈いる様子は見当たらない。外務省担当課長が起案して局長・次官に上げられ、外交政策の枠組みが決まるのは以前と同じだ。職業外交官の最高峰である外務次官は、安倍首相に随時会って外交領域を広げている。

 日本の外交は先日アルゼンチンで行われた20カ国・地域(G20)首脳会議でも目についた。安倍首相はこのG20首脳会議で、地球の半分を包括する「インド太平洋構想」のため、米国・インドと初の3カ国首脳会談を開いた。トランプ米大統領との会談はもちろん、習近平中国国家主席とは約1カ月ぶり、プーチン露大統領とこの4カ月間で3回目となる会談をした。安倍首相は米中露「ビッグ3」の指導者を来年、東京に招待するとの意向を伝え、前向きな回答を得た。

 同じG20首脳会議で、韓国の外交と言えば文在寅(ムン・ジェイン)大統領がトランプ米大統領に約30分間会ったのが事実上、すべてだった。その直前には、大統領不在のチェコを訪れ、代わりに同国首相と会談していた。ある専門家は、最近顕著な韓日外交格差について、「韓国外交部は積弊(前政権の弊害)勢力と見なされてしまい、外交官たちの士気が下がっているのが大きい」と分析する。「大統領府が全権を握り、外交政策や人事が正常に行われていないため」ということだ。

 韓国の外交に赤信号がともっている中、先月には文大統領の海外訪問に随行していた中堅外交官が出張中に倒れた。この外交官は今も意識がないままベッドに横たわっている。活気を失った外交部の現在の姿と重なってしまい、痛ましい。

東京=李河遠(イ・ハウォン)特派員

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