慰安婦、旭日旗、強制徴用者賠償判決、そしてレーダー照射問題まで、韓日関係は悪化の一途をたどっている。

 韓国の裁判所は1月8日、新日鉄住金(旧・新日本製鉄)が韓国国内に保有している資産の差し押さえ申請を承認した。強制徴用被害者の賠償のための強制執行を認めたのだ。菅義偉官房長官は「近く(日韓請求権)協定に基づく協議を韓国政府に要請する方針」として「極めて遺憾」と表明した。

 これに関して韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は1月10日、新年の記者会見で「(今の対立は)韓国政府がつくりだした問題ではない。過去の不幸な長い歴史のせいでつくられている問題」だとして「日本政府はもう少し謙虚な立場を持つべきだと思う」と発言した。さらに文大統領は「日本の政治家、指導者がしきりに政治争点化し、問題を大きくして拡散させようとしていることは賢明な態度ではない」「被害者の実質的な苦痛を癒やせる問題を巡って、韓日両国がどのように解決していくことができるか真剣に知恵を絞っていかなければならない」と付け加えた。

 文大統領の発言に対し、日本政府は極めて冷たい反応を示した。菅官房長官は「韓国側の責任を日本側に転嫁しようというものであり、極めて遺憾」とコメントした。外交関係者の間からは、韓日間の冷え込みが長期間続くことは避けられない、という見方が出ている。

 韓国と日本の現今の関係について、ソウル大学のパク・チョルヒ教授は1月14日、「互いに対する尊重や戦略的重要性に対する認識がほとんどなくなった。戦略的提携関係から相互の戦略的放置状態へと後退している」と評した。

 日本政治の専門家であるパク教授はこの日、ソウル・光化門のカフェでインタビューに臨み「日本でも韓国問題を政治的に利用するが、韓国でも日本問題を政治的に利用している」として、このように語った。

 パク教授は「日本は韓国の外交・安全保障領域においてかなり重要な国。韓国の安全保障の『支柱』役」「同盟懐疑論者のトランプ大統領と対する上でも、韓日が互いに引き合って『同盟は重要』というメッセージを送らなければならないのに、そういうことを期待し難い状況」と語った。

 パク教授は「南北関係の進展にのめり込み過ぎて、中国、日本など周辺国の適正な役割と関与を引き出す知恵を忘れている」「日本が韓半島(朝鮮半島)と東アジアに対して持っているレバレッジをあまりにも軽視するという愚を犯してはならない」と語った。

 続いて「韓日関係が疎遠になったら、北朝鮮と中国が最大の利益を共有する」「韓国と日本を引き離そうとする北朝鮮や周辺国の戦略に巻き込まれて身の破滅を招いては困る」と付け加えた。

 レーダー照射問題を巡る韓日間の対立については「こういうことが起こるのは、基本的に信頼不足とコミュニケーション不在に起因する。お互いが、軍事的友好国というより敵対国に近い対応」と批判し、その上で「韓日関係が良好な時期であれば、(レーダー対立は)軍当局間のコミュニケーションだけで十分に済んでいた事案」と付け加えた。

 韓国大法院(最高裁に相当)の強制徴用者賠償判決については「政府間交渉で強制徴用者問題は解決されたと見るのが正確な立場」として、文在寅政権が公式の立場を打ち出さないことについては「様子見をしている」と寸評した。さらに「日本と妥協できる第3の道を行政府が一日も早く提示すべき」「請求権協定を認めることを基礎として、その上で司法判決の対象になった日本企業と請求権資金の恩恵を受けた韓国企業が共同出資する財団を設立し、被害者に補償する案などが考えられる」と語った。

 韓日慰安婦合意に関する韓国の現政権の対応については「合意が気に入らなければ破棄して再交渉すればいいではないか。なのに破棄はできず、再交渉もできない」「以前の合意よりもいいものを作る自信がないから、再交渉しようと言えない。清算するのは得意でも、代案がない」と指摘した。

 パク教授は「過去史の問題をえぐり出すのは、感情を満足させることはできるが、現実的な利益を縮小させかねない。過去史の解決だけが韓日関係の全てではないという大局的判断が必要」と語った上で「日本との協力は韓国の安全保障を担保し、米国、中国など大国に対する外交的レバレッジを高めてくれて、(韓国の)国際国家の活路を広げてくれる」と敷衍(ふえん)した。

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