韓国政府は最近、海外のわいせつ・違法サイトへの接続を遮断するために、従来よりも強化された新技術を導入したが、ユーザーに対する監視手段になりかねないという指摘が出ている。違法サイトを遮断する過程でユーザーの個人情報が把握されることへの懸念だ。韓国大統領府(青瓦台)の国民請願サイトでは、「インターネット規制強化に反対する」という請願への支持が2月18日午前現在で24万人以上に達した。内容は主に「政府がわいせつ物遮断を名分として、インターネット規制を強化している」との主張だ。

 担当官庁の放送通信委員会は、ネットユーザーによる反発に驚き、「遮断対象になるサイトは独立機関である放送通信審議委員会が決定し、遮断過程ではいかなる形態による監視もない」と説明した。論議の中心には「https」と呼ばれるセキュリティーを強化したデータ通信プロトコル技術がある。これまではhttps方式を採用した海外のわいせつサイトを遮断できなかったが、新技術では通信業界が協力し、遮断を開始した。

■政府「わいせつサイト遮断に不可避」
 韓国政府の説明通りに接続遮断対象サイトは放送通信審議委員会が警察庁、国家情報院の立場を受け、審議の上で決定する。現在接続が遮断されている海外の違法サイトは895ある。内訳は違法賭博サイト(776)、違法なわいせつサイト(96)が大半を占める。韓国政府は対象サイトのリストをKT、SKブロードバンドなどのインターネット事業者(ISP)に提示し、遮断を求めている。

 これまでの遮断技術では、主流の通信プロトコルであるhttpの遮断は可能だったが、セキュリティーが強化されたバージョンのhttpsは遮断ができなかった。今回放送通信委はhttpsを採用したサイトを技術的に遮断することに成功した。高麗大情報保護大学院のキム・スンジュ教授は「httpは電話番号と住所がそのまま書かれた郵便物の封筒だとすれば、httpsはやりとりが暗号化された封筒だ。httpsは全世界の主要サイトの大半に適用されつつある」と述べた。賭博サイトはわいせつサイトはこれまでhttps技術でアクセス遮断を回避してきた。放送通信委関係者は「政府の遮断技術はこれまでも段階的に変化してきた。サイト遮断措置を講じても、ネットユーザーがう回接続などの方法を発見し、接続を続けてきたからだ」と語った。

 問題は遮断過程でわいせつサイトに接続した個人の記録を政府が参照できる余地が生じたことだ。政府は「実際の通信内容は全て暗号化されており、個人の情報を国家が見ることはない」と主張するが、ネットユーザーは信頼していない。実際にインターネット分野の市民団体「オープンネット」の関係者は「政府が採用した技術はユーザーの接続情報を読み取り、送受信を妨害する監視と受け止められる可能性がある。接続遮断技術が発展し、通信情報に対する国家機関や通信業者の影響力が徐々に強まっている」と指摘した。国家機関がその気にさえなれば、個別ユーザーの通信情報を安易に参照でき、ネットユーザーの自由が阻害されかねないとの見方だ。

■ネットユーザー「個人のネット接続に対する監視は不適切」
 専門家の間では、技術的に監視が実際に行われる可能性は低いという事実は知られているが、違法サイト規制に先立ち、十分な社会的合意を形成する努力が足りなかったという批判が聞かれる。隠しカメラ映像といった違法なわいせつ物を規制するという名分は良いのだが、どのように規制するのかについて、国民の同意が得られていないとの見方だ。韓国インターネット倫理学会のクォン・ホンヨン学会長(高麗大情報保護大学院教授)は「単純に関門を設けて遮断する方式は専制国家で使いがちな方法だ。米国ではインターネット空間は最大限自由にすべきだという社会的合意が存在するため、わいせつサイトに対する接続遮断措置は取られていない」と述べた。

 このほか、政府がどれだけインターネット規制を強化したところで、違法コンテンツを完璧に遮断することはできないとの指摘もある。成均館大の鄭泰明(チョン・テミョン)教授は「大規模なインターネット検閲を実施する中国でもう回接続方法が広く使われている。完全な検閲というのは不可能だ」と述べた。

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