日本メディア「今年5月、中国戦闘機が日本の艦艇近くで訓練するも非公表」

 日本政府は、中国軍の戦闘機が自国の艦艇を標的に見立てて攻撃訓練をしていたと判断したのにもかかわらず、中国に抗議すらしなかったと日本のメディアが19日、報道した。昨年12月の日本の自衛隊哨戒機低空飛行時に「韓国の軍艦が哨戒機に攻撃用レーダーを照射した」として、岩屋毅防衛相が記者会見で韓国を批判したのとは180度異なる対応だ。

 毎日新聞と東京新聞は同日、複数の日本政府関係者の話として、中国のJH7戦闘爆撃機が、5月下旬、東シナ海の公海上で日本の海上自衛隊護衛艦を標的とした軍事訓練を行っていた疑惑が強いと報じた。中国の戦闘機は当時、日中間の中間線付近の中国側ガス田周辺海域で海上自衛隊護衛艦2隻にミサイル射程距離まで接近した。中国の戦闘機は射撃管制レーダーを照射して自動追尾する「ロックオン(Lock On)」はしなかった。このため、日本はこれほど近くまで接近した意図を当初は把握できていなかった。しかし、自衛隊の傍受部隊が「海上自衛隊の艦艇を目標として攻撃訓練をする」という内容の中国側の無線交信を把握した。自衛隊はこれ以外にも、中国機の航跡や電波情報を分析し、中国の戦闘機が自衛隊の艦艇を標的に見立てて空対艦攻撃訓練を実施したと分析した。

 日本政府は、中国の訓練が「極めて危険な軍事行動」だと判断したものの、これを表立たせていないだけでなく、中国政府に抗議もしていない。その代わりに、海上自衛隊と航空自衛隊の部隊に「警戒監視強化」のみを指示した。日本政府は中国側に抗議していない理由を「自衛隊の情報探知・分析能力を秘匿するため」と説明している。

 しかし、それよりも安倍晋三首相が政治的な見地からこの問題を拡大させずに黙殺したという疑惑が取りざたされている。安倍首相は昨年10月の訪中後、自身の外交成果の1つとして、「日中両国関係が正常化した」ことを掲げている。中国の習近平国家主席は来年初め日本を国賓として訪問する予定であり、王岐山副主席は今年10月に徳仁天皇の即位を祝う行事に出席が予定されている。順調な日中関係で波風を立たせたくなかったということだ。また、韓国との対立が深まっている状況で、中国にまで「戦線」が広がったら困るという判断も働いたものと見られる。

 安倍首相は昨年12月に東海上で韓日間の軍事摩擦が発生すると、日本の自衛隊哨戒機が空中から撮影した映像を公開するよう指示して議論を加熱させた。さらに、安倍内閣と自民党は事あるごとに、「韓国は友好国としてあるまじき行動をした」と嫌韓世論を生んできた。

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