今月末に行われる第11次韓米防衛費分担金特別協定(SMA)交渉に臨む韓国側の首席代表に、韓国大統領府は企画財政部(省に相当、以下同じ)出身で金融委員会副委員長などを歴任した鄭恩甫(チョン・ウンボ)氏を任命する方向で検討していることが17日までに分かった。鄭氏が任命された場合、企画財政部出身者が初めて防衛費分担金交渉を担当することになる。大統領府の外交・安保ラインは鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安全保障室長、金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長など通商分野の専門家が要職を占めているが、今後は韓米間の軍事交渉も経済分野の専門家が担当することになりそうだ。過去10回の交渉では韓国側の首席代表は外交部や国防部の現職の幹部が担当してきた。今回の交渉で韓国政府は同盟や安全保障の観点よりも、分担金の増額阻止を最重点課題と考えているとの見方も浮上している。防衛費分担金の大幅増額を求めてきた米国と激しい対立が起こる可能性も非常に高そうだ。

 韓国政府関係者はこの日「防衛費分担金交渉を前に米国は戦略資産の展開、韓米合同軍事演習、ホルムズ海峡での有志連合構成に必要な費用まで含む請求書を提示している」とした上で「米国からの分担金増額圧力に対抗できる新たな見方が必要だ」との考えを示した。別の政府関係者は「米国政府は通商や為替問題まで防衛費分担金交渉と関連づける動きを示しているだけに、こちらも戦略的な対応が必要な状況になった」とコメントした。これまでの交渉以上に米国が求める分担金増額案が適正かどうかはっきり指摘し「金額交渉」で押し切られないためだ。大統領府と政府は過去10回の協定を検討した結果、外交部や国防部の首席代表たちは米国が主張する論理に完全に押し切られたと考えているという。

 しかし防衛費分担金問題を「同盟」や「安全保障」などの観点ではなく「費用」の側面だけで検討した場合、韓米関係は今後さらに悪化するとの懸念も相次いでいる。とりわけ韓国政府が韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了の決定を下し、これに米国政府が公の席で失望や懸念を表明したこともあり、分担金交渉でも韓米間の対立がさらに深まるとみられるためだ。ある外交筋は「韓米同盟の側面ではなく金の問題だけで考えた場合、米国の疑念がさらに深まる恐れもある」「米国が求めるインド太平洋戦略、韓米日三角協力など、同盟や安保の強化という側面で対処する必要があるだろう」と指摘する。

 鄭氏は第28回行政考試(国家公務員上級試験)合格後、企画財政部で国際金融政策官、次官補、金融委員会金融政策局長などを歴任し、朴槿恵(パク・クンヘ)政権では経済金融秘書官を務め、金融委員会副委員長を最後に引退していた。韓国政府は鄭氏のほか、交渉タスクフォース(特別任務遂行チーム)に企画財政部の予算担当者や産業通商資源部の専門家などを参加させ、交渉の準備に乗り出すという。

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