「被害を受けた農家を支援するとの趣旨だったので買ったんですが、こんなトウモロコシが届くとは思いもしませんでした」
忠清北道忠州市が運営するオンライン・ショッピングモール「忠州種ショップ」には、干からびたトウモロコシの写真とともに、こうした苦情や注文取り消しを求める書き込みが約350件掲載されている。これは、忠州市が「異常気象や大雨、猛暑により急成長してしまったスイートコーン」とし、被害を受けた農..
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「被害を受けた農家を支援するとの趣旨だったので買ったんですが、こんなトウモロコシが届くとは思いもしませんでした」
忠清北道忠州市が運営するオンライン・ショッピングモール「忠州種ショップ」には、干からびたトウモロコシの写真とともに、こうした苦情や注文取り消しを求める書き込みが約350件掲載されている。これは、忠州市が「異常気象や大雨、猛暑により急成長してしまったスイートコーン」とし、被害を受けた農家を支援する名目で、7月22日から割引販売を行っていたものだ。チョ・ギルヒョン忠州市長までが直接出向き「気をもんでいる農民の心を少しでも癒やしてあげてほしい」と訴え、市民の間で「購買ブーム」が巻き起こった。値段は15個で5000ウォン(約480円)だ。忠州市は「販売から1時間でトウモロコシ1万4000箱を完売した」という。
問題は、配送が始まった7月29日に発生した。製品を受け取った顧客たちは、粒が一切ないものや乾いたトウモロコシの写真をアップしながら「到底食べられたもんじゃない」「飼料用をよこしたのか」などの苦情のコメントを書き込み始めたのだ。2日午後までに忠州種ショップに寄せられたトウモロコシに対する90件のコメントのうち55件が品質不良に関する苦情だった。払い戻しやキャンセルの要請も相次いだ。忠州市によると、2日午後までに配送された6500件のうち125件に対する払い戻し要請があったという。まだ配送されていない約7000件の注文のうち、3000件もすでにキャンセルとなっている。
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このトウモロコシは、忠州地域の農家が東忠州農協に納品し、農協と販売契約を結んだ業者から「トウモロコシが熟し過ぎた」として受け入れを断られ、販路が断たれた物だった。これを農協の倉庫に保管して割引価格で販売したのだ。問題が拡大すると、忠州市は「一部低品質の商品の配送でご迷惑をお掛けした点を深くおわびする」とし「払い戻しを要請された顧客には全額返金する」と2日、明らかにした。品質論議については「過度に熟したトウモロコシを発泡スチロール箱に入れて冷蔵配送したものの、配送過程ででん粉化が進んだものとみられる」とし「低品質トウモロコシはごく一部」と述べた。
最近になって農家を活性化させ、中間流通業者を挟まずに合理的な価格で消費者に直販するといった名分で、各自治体が続々と農産物の販売に乗り出している。しかし、突然多くの農産物が直接配送されるようになり、こうした品質問題がたびたび浮き彫りとなっている。昨年も江原道が、割引価格で販売した一部のジャガイモが腐っていたり芽が出ていたりしたことで消費者の不満が多数寄せられたこともあった。祥明大学のイ・ジュンヨン教授は「消費者は善意で購入しただけに、製品の品質が保証されるなら『直接取引による農家支援』に対する信頼が得られる」と述べた。
チョ・ユジン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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