【コラム】K-POPの歌詞は韓国の顔

 「PSYの魅力は直接話法とB級の感情表現」だと言う人たちにとっては、2曲とも何も問題はないだろう。「大衆歌手と音楽は、その時代を貫く大衆の要求と不満を解消するはけ口の役割を果たすべきだ」という観点だけで見ると、そのような見方できなくはない。しかし、世界各国の人たちがこれらの歌を通じて初めて韓国語に触れ、この歌詞で韓国語を勉強する可能性があると考えると、どうしても困惑を隠せない。

 これはPSYだけの問題ではない。「あまりに熱くて触れられないの、愛に燃えてしまってアツアツなGirl?」(少女時代「Gee」)、「ひっくり返る前にどうか誰か、私を止めて/選手気取りでフォームだけ決める不器用な/君は空気の抜けたタイヤのようにきれいに振られて」(2NE1「私が一番イケテル」)。「この修羅場にHey、最後の王の出番Hey/今日は堕落して(暴れ回って)進むんだ!」(BIGBANG「FANTASTIC BABY」)。これらは、世界中の人たちが動画投稿サイト「ユーチューブ」を通じて聞いているK-POPのトップ10に入る曲の歌詞だ。

 時間と国境を超えるスタンダードナンバーの共通点の一つは、歌詞に時代を反映した情緒や品格、メッセージが込められていることだ。「秋には手紙を書きます」で始まる「秋の手紙」や、洋楽史上最も偉大な曲といわれるビートルズの「イエスタディ」のような昔の曲、絶望に陥った人たちを励ますケイティー・ペリーの最新曲「ファイヤーワーク」などがそうだ。また歌謡曲の歌詞は、その曲を歌う歌手、その言葉を国語としている国の顔ともいえる。歌手は歌詞を通じて自分自身と歌のイメージ、感性、主張を大衆に伝え、世界各地のファンは、歌詞を通じて歌手とその歌手が属している国と対面し、経験するからだ。PSYはもちろんのこと、第2、第3のPSYを夢見る韓国のすべてのミュージシャンが、今後どのような「顔」で世界のファンたちと出会い、対話するのか、真摯(しんし)に考えて答えを探すべきときが来ている。

申孝燮(シン・ヒョソプ)記事企画エディター兼大衆文化部長
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