世界最高層ビルを手掛けた韓国人、今度はインドへ

1日に100人欠勤が当たり前だったムンバイ、韓国システムの導入で変化
ドバイの最高層ビル「ブルジュ・ ハリファ」も

世界最高層ビルを手掛けた韓国人、今度はインドへ

 「建設現場は国ごとに特徴があって、毎日謙遜かつ感謝の心で出勤することが大切です」

 昨年末インド最大の貿易都市、ムンバイ市内で出会ったサムスン物産のホン・テシク(57)ウォーリータワー現場所長(常務)は、「インドの労働者は1日に100人欠勤する」と苦笑いした。その理由も「体がだるい」「バスに乗り遅れた」など、千差万別だったという。

 ホン所長は、海外の建設現場で30年以上も勤務したベテラン中のベテランだ。マレーシアのクアラルンプールにあるペトロナスタワーを皮切りに、世界最高層を誇るドバイのブルジュ・ ハリファに至るまで、世界各国の摩天桜を手掛けてきた。83階と52階の2棟からなる住商複合のウォーリータワーは、完成すればムンバイで最も高いビルとなる。

 同所長は「韓国システムの現地化」と「現地人の韓国化」の狭間に立って、互いの接点を見いだしていくことでも有名だ。ムンバイでも、1日の日課を国民体操でスタートし、韓国式の几帳面な工事文化を教育、大きな成果を挙げた。夜には抜き打ちで現場点検を行い、問題を見つければ即座に解決する。2000人に上るムンバイの現地人作業員の欠勤は、今では片手で数えられるくらいにまで減った。

 「何でも『イエス』と答えるこちらの文化に慣れるまで大変でした。午前中に全て終わらせたという報告を聞いても、確認してみると午後まで何も行われていなかったというケースがこれまでにも何度もあったんです」。しかし、今では韓国人のように「イエス」と「ノー」が明確になったというのがホン所長の説明だ。

 ウォーリータワーのプロジェクトは、インドの不動産専門業者であるオベロイグループが、ドバイのブルジュ・ ハリファを手掛けたというホン所長の名声を聞き付け、先に事業を提案、契約にこぎ付けた。

 同所長は「サムスン物産だけが保有しているコンクリートの垂直押送技術(コンクリートを圧縮して打ち出す技術)や世界最高強度を誇るコンクリートの生成技術といったノウハウのおかげ」と謙遜する。しかし、ホン所長の下、ムンバイで勤務した約20人の韓国人従業員のうち、国内に戻って所長に昇進した人が年に3人に上るなど、ホン所長のリーダーシップは有名だ。

ムンバイ(インド)=パク・サンヒョン・テレビ朝鮮記者
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