北朝鮮、非難の矛先はいつも金寛鎮国防相!?

開城工団操業停止まで金長官のせいにして激しく非難

 北朝鮮は連日、韓国に対する脅しの度合いを強めているが、その非難の矛先は韓国国防部(省に相当)の金寛鎮(キム・グァンジン)長官=写真=に集中している。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領を直接批判することはない。

 朝鮮労働党の金養建(キム・ヤンゴン)書記兼統一戦線部長は8日の談話で、開城工業団地の暫定的な操業停止の理由について「金寛鎮(国防部長官)のような極悪の対決狂信者たちにより、開城工業地区が同族対決や軍事的挑発の場に転落する事態をこれ以上、許せない」と述べた。

 北朝鮮は先月25日、金長官を「報復打撃の最初の草刈り(排除)対象」(北朝鮮の対韓国宣伝用ウェブサイト「わが民族同士」)と言った。そして「戦争のろくでなし」(3月27日、祖国平和統一委員会)、「われわれの革命武力の標的にする一考の価値もない人間誤作品(不良品)」(4日、朝鮮人民軍総参謀部報道官の談話)と次々と非難した。北朝鮮の朝鮮中央放送は8日、朝鮮人民軍が金長官の写真を標的にして射撃訓練を実施したり、金長官の顔写真がはり付けられた「かかし」を軍用犬にかませたりする様子を放送した。

 金長官は2010年11月の就任以降「北朝鮮が挑発行為をしてきたら10倍にして報復せよ」と挑発の根本・支援勢力・指揮部に対する攻撃を命令してきた。最近では「開城工団で韓国人が人質になった場合の救出作戦に備えている」と発言、騒ぎになったこともある。

 韓国軍の周辺では「金長官の北朝鮮に対する報復への強固な意志が北朝鮮の挑発を抑制した」と評価している。「金寛鎮エフェクト(効果)」という言葉も飛び交っている。国防部関係者は「交代させられると思っていた金長官が留任したことに対し、北朝鮮が負担を感じているという証拠」と話す。国立外交院のユン・ドクミン教授は「北朝鮮は金長官に『対北朝鮮強硬派』という烙印(らくいん)を押し、韓国国内の確執をあおろうという意図を持っている」と分析している。

チョン・ヒョンソク記者
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