関東大虐殺90年:虐殺を隠蔽する日本、賠償するドイツ

ナチス政権のユダヤ人虐殺に対し反省・謝罪続ける

関東大虐殺90年:虐殺を隠蔽する日本、賠償するドイツ

 日本が関東大震災(1923年)当時の朝鮮人虐殺を隠蔽(いんぺい)したり、規模を縮小したりするなど、反省していないのに対し、ドイツはナチス政権が犯したユダヤ人虐殺(ホロコースト)を深く反省し、謝罪や賠償を行っている。ドイツは1945年の敗戦後、連合国4カ国(米国・英国・フランス・ソ連)が主導したニュルンベルク裁判で、ユダヤ人虐殺など「倫理に反する犯罪」を断罪された。同年11月20日から46年10月1日まで行われた同裁判で、ナチスの戦犯12人が、ユダヤ人虐殺などを主導した罪に問われ絞首刑を言い渡された。また、首謀者ではない現場責任者に対する裁判も行われ、米国の占領地域で324人、英国の占領地域で240人、フランスの占領地域で104人が死刑判決を受けた。ソ連の占領地域では正確な記録は残っていないが、さらに厳しい処罰が行われたとされている。

 ドイツはユダヤ人虐殺などの戦争犯罪について、他国による処罰だけにとどまらず、自主的な調査や裁判も進め、1963年から90年にかけ計6468人に有罪判決を下した。69年には議会の議決により、ナチスの犯罪者に対する公訴時効を撤廃した。

 また、ドイツはナチスによるユダヤ人虐殺に対し、政治指導者が自ら表に出て反省や謝罪を続けている。1970年12月7日、ビリー・ブラント首相はポーランドの首都ワルシャワにあるユダヤ人犠牲者慰霊塔を訪れ、ひざまずいて謝罪した。85年にはリヒャルト・フォン・バイツゼッカー大統領が「過去に目を閉ざす者は、未来に対してもやはり盲目となる」と発言し、ナチスによる戦争犯罪について謝罪した。

 98年にはヘルムート・コール首相が米国のホロコースト記念館を訪れ、ユダヤ人の犠牲者700万人に対し黙とうをささげた。現職のアンゲラ・メルケル首相は今月20日、ミュンヘン近郊のダッハウ強制収容所跡地を訪れ「ドイツ人の大多数が当時の大虐殺に目を閉ざしている。深い悲しみと恥ずかしさを覚える」と述べた。一方、ドイツはホロコーストの犠牲者に対する賠償も行っている。1953年以降「ナチス被害者補償法」などを通じ、700億ドル(現在のレートで約6兆8900億円)の賠償金が支払われた。

李漢洙(イ・ハンス)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 関東大虐殺90年:虐殺を隠蔽する日本、賠償するドイツ

right

あわせて読みたい