【コラム】遠のく「韓日経済逆転」の夢

安倍首相、ゴルフでアベノミクス成功をアピール
希望描く日本財界、企業500社の時価総額倍増
韓国経済は氷河期、大企業は円安で成長鈍化
日本部品への依存度80%、現状打開を

 日本の安倍晋三首相は、正月休み中の3日、神奈川県茅ヶ崎市で財界人とゴルフを楽しんだ。昨年1年間で15回。北東アジア3カ国の国家指導者で最も頻繁にゴルフ場に通った。

 多忙なスケジュールを割き、他のスポーツではなく、ほかならぬゴルフを楽しむのは、ゴルフ場10カ所の会員権を持つ愛好家だからという理由ばかりではない。安倍首相が掲げるアベノミクスが引き続き成功を収め、日本経済が活力を帯び始めたことで、余裕と自信を持てるようになったことをアピールする狙いがあるとみられている。経済が低迷していた2006-07年の第1次安倍政権では、366日の在任中にゴルフをしたのはわずか1回だったことがそれを物語っている。

 年明けの日本経済、特に財界には「再起を目指そう」「もっとうまく行くはずだ」という希望の歌声が鳴り響いている。自動車、流通、ITなどの企業は、昨年大幅な増収増益を記録したほか、株価も急上昇し、笑みを浮かべている。日経平均は昨年、57%も上昇したことが端的に示している。株価上昇率は経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国で1位で、1970年代に田中角栄元首相が掲げた「列島改造論」による好況以降、41年ぶりの上昇幅だ。

 おかげで日本で昨年、株式の時価総額が2倍以上増えた企業は500社に達した。看板企業のトヨタ自動車は230%、ソフトバンクは300%、半導体メーカーのルネサスエレクトロニクスは820%も時価総額が膨らんだ。安倍首相は先月30日、東京証券取引所の大納会に出席し、昨年の経済的成果を自画自賛した上で、「来年もアベノミクスを買い」と豪語した。 

 好調な日本経済とは異なり、韓国経済は依然凍りついている。特に企業の投資意欲と気力は回復の兆しすら見えない。韓国政府は海外進出企業の国内へのUターンを奨励しているが、実際にUターンを検討するのは100社中1.5社にすぎないとする調査結果もある。ある大企業の最高経営責任者(CEO)は「数多くの規制と経済民主化要求で苦しめられる韓国よりは、海外の企業環境がはるかにましだと考えているからだ」と手厳しい。

 世界市場で一時日本を脅かし、あるいはわずかでも追い抜いた大企業は、円安と攻撃的マーケティングという2つの武器を駆使する日本のライバル企業に押され、成長に急ブレーキがかかり、敗退しているのが現状だ。韓国を代表するサムスン電子と現代自動車も例外ではない。2-3年前に盛んに唱えられた「韓日経済逆転論」は、現在の状況下で跡形もなく消えてしまった。スマートフォン(多機能携帯電話)、液晶テレビなど韓国が世界首位の品目ほど、日本製の素材・部品への依存度が70-80%に達する。それだけに、「日本が故意に供給を中断すれば、サムスン、LG、現代自の工場がストップしてしまう」との警告も聞かれる。

 韓国企業の体力や規模が10-20年前と比較するのが無意味なほど強くなったのは事実だ。しかし、潜在的なエネルギーを集めて噴出させるリーダーシップと戦略で、韓国は日本よりはるかに遅れている。日本経済にすぐにも追い付くという自慢げな考えを捨て、謙虚に体制を立て直すべきだ。韓国の大統領が新年に余裕でゴルフを楽しみ、周辺国に「韓国の経済と企業を学べ」と自信たっぷりに叫ぶその日の到来を願ってやまない。

宋義達(ソン・ウィダル)産業第1部長
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