【記者手帳】「韓国にも無人機はある」と騒ぐ韓国軍

大統領府から批判された翌日、無人機「ハヤブサ」「Remoeye」を異例の公開
撮影範囲など軍事上の秘密もメディアに発表
韓国軍の心配は「国民の安全」より「大統領府の顔色」

 一部の韓国軍関係者は、北朝鮮の小型無人機に搭載できる爆発物の量は3キロ前後にすぎず、写真の解像度も低いことから深刻な軍事的脅威ではないにもかかわらず、過剰に騒いでいると語った。北朝鮮の意図に振り回されているという不満の声もある。一理ある意見だ。しかし、この2週間の軍の態度から考えると、自ら不信や批判を招いたという面が大きい。

 韓国軍の関係者は、坡州で正体不明の無人機が発見されてから1週間近く「対共容疑(北朝鮮との関連)は弱い」と非公式に話していた。ところが先月31日、坡州のものと全く同じ塗装を施した無人機がペンニョン島に墜落し、北朝鮮の無人機の可能性があるとメディアで大きく報道されるや、今更のように「北朝鮮の無人機である可能性が高いとみて調査中」と発表した。もしペンニョン島に無人機が墜落しなかったら、軍や情報当局が坡州の無人機について「北朝鮮のもの」と積極的に認めたかどうか、疑問だ。

 現在、韓国国民が軍に対する不信や安全保障をめぐる不安を抱くようになったのは、韓国の無人機の能力が北朝鮮のものより劣っているからではない。北朝鮮のさらなる挑発の兆候を韓国軍が正確に把握し、有事の際にきちんと対処できるのか-というところが問題なのだ。北朝鮮の対韓国宣伝メディア「わが民族同士」は昨年5月、無人機で韓国大統領府を攻撃する可能性について具体的に言及した。また北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党第1書記は昨年3月、無人攻撃機を用いた訓練の現地指導も行っている。事前の兆候が幾つかあったにもかかわらず、韓国軍や情報当局はきちんと備えることができなかった。北朝鮮の無人機だということがほぼ確実になっても「最終調査結果が出ていない」として、北朝鮮の行為を糾弾・警告する軍関係者はまだいない。

 韓国軍は、今回の北朝鮮無人機事件が、かつての哨戒艦「天安」爆沈事件や延坪島砲撃挑発事件に劣らず、軍に対する国民の不信を増幅させかねない事案だということに留意すべきだ。事件への対応はもちろん、北朝鮮への備え全般を見直す教訓にしなければならない。

ユ・ヨンウォン政治部記者
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