韓国旅客船沈没 ルール無視招いた惨事=死者56人に

【仁川聯合ニュース】沈没した韓国旅客船「セウォル号」は出航から事故発生まで、航海のために守るべきルールの多くを無視していたことが分かった。

 乗務員らは乗客への救助措置を取らず真っ先に脱出するなど危機対応マニュアルを無視したほか、出航前の点検報告書が事実と異なるなど運航管理のずさんさが浮き彫りになっている。

 20日午後現在、乗客476人のうち56人が死亡し、246人が安否不明となっている。ルールを無視した結果はあまりにも残酷だ。

◇船長ら先に脱出…「船舶職」は全員生存
 旅客船と事故現場付近の珍島海上交通管制センターとの交信は16日午前9時37分を最後に途絶えた。船長ら乗務員は船体が沈没する危機に追い込まれると、乗客への救助措置を取らず9時37分ごろ船舶を脱出したとみられる。当時、船長が操舵(そうだ)室にいたかどうかは確認されていないが、乗務員らには脱出命令を出したようだ。実際に50代の機関士は「船長から脱出するよう指示を受けた」と供述している。

 結局、船長、航海士、機関士らいわゆる「船舶職」の乗務員15人は全員救助された。「客室で待機せよ」という放送のため、乗客らが右往左往している間に、乗組員らは慣れた船内の通路を利用し、先に脱出したのだ。特に船長は乗客が全員脱出するまで救助措置を取らなければならない基本的な義務を果たさなかった。

 ◇ずさんな出航申告書
 「セウォル号」の船長は15日午後9時の出航前、仁川港の運航管理室に「出航前の点検報告書」を提出した。報告書では一般貨物657トン、車150台を積載したとなっていた。

 しかし、事故後に船舶会社が発表した資料によると、貨物は1157トン、車は180台だった。報告書より、貨物500トン、車30台が多く積まれたことになる。

 また、報告書には記載されていないが、船首に10個余りのコンテナが積まれたことが沈没当時の映像で確認された。

 乗船人員も乗客450人、乗務員24人の計474人と報告したが、政府対策本部の発表では乗客447人、乗務員29人の計476人だった。

◇お粗末な安全管理
 「セウォル号」の運営会社は運航管理規定に基づき、10日ごとに消火訓練、人命救助などの海上安全訓練を実施しなければならないが、ほとんど履行していなかった。

 同社は昨年広告費に2億3000万ウォン(約2300万円)、接待費6060万ウォンを支出したが、安全教育の研修費はわずか54万ウォンだった。

 検察は船舶会社と船主に対する捜査に乗り出した。

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