韓国政府組織が大幅改編 首相権限を強化=副首相は2人体制

【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が、政権発足2年目を迎え、政府組織を大幅に改編する。

 旅客船セウォル号の沈没事故を契機に、国家安全処の新設を骨子とする政府の安全関連機能の再編が発表されたが、これを期に教育・社会・文化分野における総括副首相職を新設する方針を明らかにし、組織改編の規模が大きくなった。

 元最高裁判事の安大熙(アン・デヒ)氏が新首相に指名され、首相により強い権限と責任を持たせる「責任首相」制の復活が議論される中、経済副首相とともに経済以外の分野を総括調整する副首相が新たに導入され、首相と2人の副首相が内閣を主導する「三頭体制」をスタートさせることが核となる。

 外交・国防・安保については、これまでと同様、青瓦台(大統領府)の国家安保室長がコントロールタワーの役割を果たす。

 青瓦台は朴大統領が国政運営スタイルを変え、名実共に行政が責任を持つ「責任行政」を実現するとの意志を今回の政府組織改編を通じて表わしたと強調している。 

 政権発足1年余りにして「ハードウエア」である政府の構造まで変えるのは、セウォル号の沈没事故が朴大統領の政権運営に対する認識を改めさせる契機になったためとみられる。
だが、結果的に政権発足後の政府改編構想が近視眼的であったとの批判を受ける可能性もある。

 ◇17部3処17庁から17部5処15庁に

 政府立法により来週中に国会に提出される政府組織法改正案で政府職制は現在の17部3処17庁から17部5処15庁に変わることになる。

 セウォル号沈没事故の対応に対する責任を問われ、海洋警察庁が解体される。消防防災庁もなくなり、新設される国家安全処に業務が移管される。

 代わりに国務総理室の機能が大幅に強化される。傘下に長官(閣僚)級の国家安全処を新設し、やはり総理室傘下に次官級である人事革新処が設置される。

 政府全体では長官(級)が1人増え、次官(級)が1人減るものとみられる。

 李明博(イ・ミョンバク)前政権時になくなった副首相は2人になる。経済副首相が政権発足と共に新設されたのに続き、教育・社会・文化総括副首相(社会副首相)が新設される。約6年ぶりに復活する副首相を教育部長官が兼任する。  

 経済副首相と社会副首相がそれぞれ経済とそれ以外の分野におけるコントロールタワーの役割を果たすことになる。 

 政府組織改編を主導したユ敏鳳(ユ・ミンボン)国政企画首席秘書官は27日の会見で、「大統領の発言をみれば、経済分野は経済副首相、非経済分野のうち外交・安保・統一は国家安保室長がコントロールタワーの役割を果たし、その他の領域では政策調整がより効率的になされ責任を確保したいとの表現がある」と指摘。「(安保と経済分野を除いた分野の)コントロールタワーの役割がより重要だと考える」と述べた。

 ◇副首相新設で責任明確化

 朴大統領は閣議で、教育・社会・文化を総括する副首相を置き、政策決定の効率性を高め、責任の所在を明らかにすると発言した。

 政権発足後、意欲的に推進してきた国政課題が期待通りに進んでいないとの判断も作用し、2人の分野別副首相を置き、責任を持たせて関連政策を調整させるとの意志があるとの見方もある。

 あらゆることにトップが関与する朴大統領の「万機親覧」型国政スタイルが、副首相の新設により多少変化するとの予想も出ている。

 だが、教育・社会・文化総括副首相の具体的な役割や、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権当時に置かれた教育政策に比重を置いた教育副首相との差などについてははっきりしていない部分がある。

 ユ秘書官は、経済副首相と比べ、教育部長官の副首相兼任によりどのような専門性を持つのかとの質問に対し、今後の作業により新設副首相の役割について補強する措置が必要と考えると答えた。

 政権発足後に政府組織改編を行い、約1年で大々的に修正されるのは、初めの案が不完全だったのではないかとの指摘について、ユ秘書官は「はい」と認め、心苦しいとコメントした。
一部では今回の副首相の新設を責任首相制と結びつけて解釈する向きもある。

 新首相に指名された安氏が責任首相制に対して意欲を持っているところに、国家安全処と人事革新処などが新設され、首相権限が過度に強くなるとの懸念が反映されたのではないかとの解釈だ。

 副首相を新設し、首相の負担を減らしつつ、一方で新首相をけん制する目的があるとの見方もある。 

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