旅客船沈没:兪炳彦容疑者の長女、仏で逮捕

約8億円横領などの容疑、インターポールに国際逮捕手配
兪容疑者の逃亡手助けした医大教授らも逮捕

 沈没した旅客船「セウォル号」の実質的なオーナーとされる兪炳彦(ユ・ビョンオン)容疑者(73)=前セモ・グループ会長=の長女ソムナ容疑者(48)が27日、フランスで現地警察に逮捕された。検察は今月8日、ソムナ容疑者に対する逮捕状を請求すると同時に、パスポートを無効とし、国際刑事警察機構(ICPO、通称:インターポール)に国際逮捕手配(赤手配)を要請していた。国際逮捕手配はインターポールに要請する7種類の手配の一つで、逮捕された容疑者の身柄は手配した国に送還される。

 ソムナ容疑者はデザイン会社「モレアル・デザイン」を経営し、系列会社のダ・パンダ社からコンサルタント費用の名目で毎月8000万ウォン(約796万円)ずつ、総額約48億ウォン(約4億7800万円)を受け取るなど、80億ウォン(約7億9600万円)相当の横領・背任の疑いが持たれている。

 フランスの警察はソムナ容疑者を48時間以内に送検し、検察は取り調べを行った後起訴して、裁判所は最長40日間、ソムナ容疑者を勾留して裁判を行うことができる。韓国法務部(省に相当)は「フランスの犯罪人引き渡し裁判の手続きを経て、引き渡しの可否が決定されることになる。フランス法務省と協議し、ソムナ容疑者をできるだけ早く韓国に送還する方針だ」と説明した。

 検察は、兪炳彦容疑者一家が実質的なオーナーとなっている「ハナドゥルセッ(1、2、3の意)営農組合」など、兪容疑者一家が所有する全国の営農組合法人や、兪容疑者が率いる宗教団体「キリスト教福音浸礼会(通称:救援派)」と関係があるとされる環境保護団体「韓国緑の会」に対する捜査を本格化させている。「韓国緑の会」の主な幹部らに対してはすでに事情聴取を行っている。

 一方、検察は26日夜、兪容疑者の逃亡を手助けしたとして、側近中の側近とされるイ・ジェウク容疑者(49)=ヘマット・セントリック・ライフ財団理事長=を逮捕した。検察は逮捕状の発行を受け、イ容疑者が教授を務める京畿道内の大学医学部の事務室でイ容疑者を逮捕するとともに、自宅や事務室などに対する家宅捜索を行った。検察はイ容疑者が兪容疑者の逃亡を主導した疑いがあるとみている。

 検察はまた、兪容疑者と一緒に全羅南道順天市まで逃走した救援派信徒の30代の女に対し、犯人隠匿・逃避容疑で27日夜に逮捕状を請求した。このほか、検察は兪容疑者の逃亡を手助けした疑いで、救援派の信徒5人を逮捕した。

仁川=全洙竜(チョン・スヨン)記者
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