国連報告書作成のクマラスワミ氏「慰安婦問題は後退」

【コロンボ(スリランカ)・ソウル聯合ニュース】1996年に旧日本軍の慰安婦問題をめぐる国連報告書を作成したラディカ・クマラスワミ元国連人権理事会特別報告官が、最近の慰安婦問題をめぐる動きについて「再び後退している」と懸念を示した。

 クマラスワミ氏は9日(現地時間)、スリランカ・コロンボの自宅で韓国外交部合同取材団に対し、日本政府が95年以前の強硬な姿勢に戻りつつあるとしながら批判した。

 クマラスワミ氏は韓国や北朝鮮、日本国内での調査を基に旧日本軍の慰安婦問題をめぐる報告書を作成。96年に国連経済社会理事会に提出した。報告書では旧日本軍の慰安婦制度を「性奴隷制」であると規定し、日本に法的責任を認め賠償するよう求めた。

 同報告書は慰安婦問題を本格的に取り上げた事実上初の国連報告書で、国際社会でこの問題を議論する際に一つの根拠となった。

 慰安婦問題がまだ解決していないことについてクマラスワミ氏は「なぜいまだに解決されないのか理解し難い」と話した。

 その上で、「95年には日本政府が慰安婦問題に遺憾を表する書簡を送り教科書も改訂すると約束した。『女性のためのアジア平和国民基金』(アジア女性基金、2007年解散)をつくるなど十分とは言えないまでも正しい方向に進んでいた。だが最近は強硬な姿勢(hard line)へと向かっている」と指摘した。

 また、個人的な見解として日本政府の態度変化は国際社会の変化というよりも日本国内の政治的な問題が影響しているとの見方を示した。

 さらに、報告書で慰安婦を「性奴隷」と命名した理由について「被害者の証言では明らかに奴隷の状況にあったため」と説明した。また、「女性たちが自身の意思に反し誰かによって統制されていたため」と強調した。

 日本政府がこのほど慰安婦の強制性を認めた「河野談話」を検証し「強制連行は確認できない」とする内容を公表したことについては、「明らかに大部分で強制性があった」と批判した。

 慰安婦は売春婦だったとする日本の右派勢力の主張や、日本でのヘイトスピーチ(憎悪表現)について、「すべての国において違う人種やほかの国、女性を敵対視する動きはあり得るが、国家はこうしたヘイトスピーチを自制させる責任を負う」として、日本政府にくぎを刺した。

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