野外公演転落事故:日本の換気口は人が登れない構造

通行人が汚染された空気の影響を受けないように設計
東京では騒音や排ガスを考慮し高さ13メートルの換気塔も

 日本では地下駐車場の換気口などには人が簡単に登れないようになっている。

 日本の国土交通省が1992年に制定した「地下駐車場設計施工指針」には、換気用ファンによる騒音や車から排出される排ガスの影響を考慮し、また豪雨や豪雪時も詰まらないよう換気口の位置が定められている。

 高さなどを具体的に定めた規制はないが、地下施設から排出される汚染された空気が通行人に直接影響を及ぼさないよう、換気口は高い位置に設置することが「設計の常識」として定着しているのだ。

 東京都は2008年、地下施設の換気口を設置する際、大量の雪や雨が降った場合の浸水被害対策を定めたガイドラインを発表した。

 そのため日本では地下施設の換気のための施設は通常「換気塔」あるいは「排気塔」などと呼ばれている。東京駅前にある換気口は高さが13メートルにもなるが、周辺の景観との調和を乱すという指摘を受け、現在これを4メートルにする工事が行われている。

 東京都内の一般的な地下鉄の駅や地下街の換気口は、通常2-3メートルとなっている上に、アクリル板などで周りが囲まれているため、一般の人が登るといったことは不可能だ。

 また日本は換気口に特色あるデザインを取り入れ、周辺のランドマークとしても活用している。1963年に完成した大阪・梅田の地下街の換気口は、今では地域を代表する造形物にもなっている。銀色に光る5本の流線型で、有名建築家である村野藤吾氏(1891-1984)の代表作の一つにも数えられている。東京の地下鉄大江戸線飯田橋駅の換気口は昆虫の羽をイメージしており、また広島市のNHK放送センター広場にある地下駐車場の換気口は、月をイメージした造形物で装飾されている。

東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい