霜降りが多い牛肉は健康に有害!? 韓国で論争

肉牛vs韓牛、牛肉等級制めぐり論議

霜降りが多い牛肉は健康に有害!? 韓国で論争

 「霜降り(サシ)の多い牛肉は健康に良くないのか?」

 牛肉業界ではこの問題をめぐり大きな論議を呼んでいます。肉牛農家からの基金で運営される肉牛自助金管理委員会が最近配布した報道資料が、問題の種となりました。肉牛自助金は「霜降りは飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の含有量が高い。霜降りの状態で良しあしが決まる現在の牛肉等級制は、現代人の健康に害を与えている」と主張しました。

 霜降りの度合いによって牛肉の味は左右されます。従って霜降りがきめ細かく入っている肉が上質とされ、高く売れます。ところで、得てして生後30カ月以上の韓牛(韓国伝統の肉牛)には霜降りが多く、20カ月以下の乳牛、雄牛の肉牛には霜降りが少ないとされています。肉牛の値段は韓牛の3分の2ですが、肉牛自助金としては栄養の面でも肉牛がいいといった趣旨の宣伝をしたかったようです。

 これに、韓牛農家の韓牛自助金管理委員会が反発しました。韓牛自助金側は肉牛自助金側に直ちに抗議し、肉牛自助金は謝罪文を盛り込んだ釈明資料を配布せざるを得ませんでした。しかし、肉牛自助金は「霜降りの状態で等級を決めるというのは改善されるべき」という従来の姿勢を変えませんでした。これに対し、韓牛自助金の関係者は「韓国は米国のように牛肉の摂取量が多くないため、霜降りのせいで健康を害するといったことはほとんど起こらない。(肉牛自助金側の)ネガティブキャンペーンとしか思えない」と切り返しました。

 専門家たちは、霜降りには健康に悪影響を及ぼす飽和脂肪酸が多く含まれているのは事実と指摘します。ただ、霜降りの量に過敏に反応する必要はないとの意見です。

 ソウル大学病院のパク・ミンソン家庭医学科教授は「30-50代の男性は会食が多く、肉と酒を同時に摂取する機会も多いため、意識して霜降りの少ない肉を選ぶのも悪くないだろう。ただ、肉をあまり食べない人は霜降りの量に敏感になる必要はない」と説明しています。味を取るのか健康を取るのかというジレンマの中で、適切なバランスを取るように心掛けることが大切なようです。

宣政敏(ソン・ジョンミン)記者
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