近畿大学、志願者数日本一の秘訣は

近畿大学、志願者数日本一の秘訣は

 昨年、大阪の私立大学、近畿大学に、10万5890人の受験生が集まった。その結果、近畿大学は関西の大学としては初めて、志願者数全国トップを達成した。それまで4年連続で志願者数全国トップを記録していた明治大学をはじめ、早稲田大学・日本大学など東京の各大学を軒並み抑えた。

 コラムニストの山下柚実氏が近畿大学躍進の秘訣(ひけつ)を分析した『なぜ関西のローカル大学「近大」が、志願者数日本一になったのか』(写真)が、最近大学入試シーズンの始まった日本で注目されている。

 1948年に設立された近畿大学は、多数のノーベル賞受賞者を輩出した京都大学や名古屋大学のような、成績の良いことで評判の名門地方大学ではない。受験の難易度は、同志社大学や立命館大学など関西の有名私立大学よりも下だ。しかし、建学理念の「実学教育」で道を切り開いた。

 近畿大学は、特に魚の養殖分野で独自の地位を築いている。1955年の区画養殖法を手始めに、2002年にはマグロの完全養殖に成功するなど、世界初の養殖技術を次々と編み出した。近畿大学は「近大マグロ」をブランドとして出願・販売し、大学法人としては初めて、大阪と東京で直営レストランを運営、日本全国にその名を知らしめた。こうして「序列に縛られない独創的な大学」というイメージを築き上げた。13年には日本で初めてインターネットを通じた願書受付を実施し、受験料を3000円安くした。

 理工系の比重が高い近畿大学は、「男の大学」という既存のイメージを壊して女子学生の志願率を高めるため、学科の改編および施設の整備も行った。00年から講義室・図書館など教育施設を改修・補修し、社会・心理・インテリアデザインなど女子学生に人気の学科を新たに開設した。男子トイレより2倍も広く作られた女子トイレは化粧室まで備え、「関西のきれいなキャンパス」第1位と評判になり、現在近畿大学の女子学生の数は20年前の2倍に増え、定員の30%を占めている。

 日頃「東京大学でなければ大学に行く意味がない」と毒舌を吐いていた堀江貴文・元ライブドアCEOは、この本を読んで「近畿大学はあってもいいかもしれない」と評した。

東京= ヤン・ジヘ特派員
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