11年に「済州海軍基地建設反対デモ」を主導したムン・ジョンヒョン神父は警察官に暴力を振るい、護送車の上に乗って車を破損させたとして有罪になったが、懲役8月、執行猶予2年で確定した。同年にソウル・光化門一帯で行われた自由貿易協定(FTA)反対デモでは、デモ隊鎮圧のため出動した鍾路警察署長に対し暴力を振るった男(57)が執行猶予で釈放された。
自由民主研究院のユ・ドンリョル院長は「違法な過激デモを厳しく処罰する先進国とは違い、韓国の司法は甘い処罰で済ませる。左派も判決で処罰が軽いことを当然だと思っている」と述べた。だが、米国では公務を執行する警察官に対し暴力を振るったり、凶器で威嚇したりすれば、銃の使用が可能となる。米カリフォルニア州の場合は「三振アウト制」を適用、警察官に対する暴行は1回目なら最高で懲役4年の刑となる可能性があるが、2回目は懲役期間が2倍に増え、3回目なら少なくとも懲役25年、最高で終身刑もあり得る。
英国は、公共秩序法に基づき、デモ参加者のうち12人以上が暴力を振るったら暴動罪に準じて処罰、警察の逮捕に抵抗して警察官を負傷させた場合は終身刑が言い渡される可能性がある。
一部の政界関係者が極左過激派を自分の身内のように擁護するのも問題だ。08年の「米国産牛肉輸入反対デモは政権退陣を訴える暴力デモに変質したが、当時の統合民主党・民主労働党・進歩新党などの野党関係者らは毎晩街頭デモに参加、違法行為をあおった。
金容疑者は日本大使に向かって外交問題に発展しかねない違法行為を犯したのにもかかわらず、12年に国会記者会見場で会見を開き、犯行の正当性を主張することができたのも、最大野党・新政治民主連合の禹相虎(ウ・サンホ)議員や姜智遠(カン・ジウォン)元民主党副報道官など=当時=がそうした場を設けたからだった。
明知大学のシン・ユル政治外交学科教授は「政治家たちが人気取りで民族主義を装った極左過激派の後援者役をするのは、韓国政治の恥ずべき面だ」と述べた。