英紙「クジラ(米中)の喧嘩に巻き込まれたソウルエビ」

英紙、THAAD・AIIBめぐる難題抱える韓国を比喩

 「ソウルという『エビ』が米中という『クジラ』のケンカに巻き込まれた」

 これは、英日刊紙フィナンシャル・タイムズが24日付の囲み記事「グローバル・インサイト」で韓国のことわざを引用、戦域高高度防衛ミサイル(THAAD)やアジアインフラ投資銀行(AIIB)をめぐり外交上の難題にぶつかっている韓国の状況を例えたものだ。韓国には「クジラのケンカでエビがつぶれる」ということわざがある。これは、「強い者同士のケンカで弱い者が被害を受ける」という意味だ。「北朝鮮の核という脅威に対処するため米国が韓国に配備するTHAADに対しては中国が反対し、中国主導のAIIBに対しては米国が苦々しく思っている」ことを指している。

 同紙は「韓国が『クジラのケンカ』に巻き込まれたのは昨日今日のことではない」と指摘する。20世紀以降、韓国は米国とロシアの黙認の下で日本の植民地になり、その後も米露の確執により南北が分断された。現在、米国と中国の間で葛藤(かっとう)を抱える韓国の姿は以前もあったことだと当然視しているのだ。

 さらに、同紙は「韓国は北朝鮮に対抗するため米国の『核の傘』を必要としながらも、それと同時に中国とは自由貿易協定(FTA)を締結するなど経済的結束の強化を図っている」と指摘した。しかし、海外メディアの目にはこうした外交戦略が不安に見えるようだ。同紙は先日ソウルで開催された韓中日外相会談について「曲芸に挑戦(the challenge of juggling)した」と表現した。また、「韓国は米国と中国により反対方向に引っ張られている」とも書いている。韓国が日本と歴史認識問題で対立していることにより、中国との関係は強まりながらも、米国のアジア外交戦略には警告ランプがともっている、としている。その上で、「『ソウル(韓国)は、中国とソ連の確執を利用して両国から経済的支援を最大限に引き出そうとした北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席の戦略をまねしようとしている』との見方もある」と報じた。

 しかし、こうした韓国の外交戦略については懐疑的な見方が出ている。 同紙は「韓国は南北統一のため米中の協力が必要だということを知っている。だが、2頭のクジラ(米中)のケンカを韓国がよくうまく利用していると考えている人はほとんどいない」と皮肉った。つまり、「クジラのケンカでエビがつぶれる」ということわざ通りになるということだ。

パリ=李性勲(イ・ソンフン)特派員
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