ローマ法王の地球儀、和紙でなく韓紙で修復へ

 イタリア・ミラノ近郊のベラガモにあるローマ法王ヨハネ23世博物館の文化財修復事業に、韓国の伝統製法で作られた紙「韓紙」が使用されることになった。韓国外交部(省に相当)が2日、明らかにした。これまでヨーロッパの文化財の修復には日本の和紙が使われていた。

 外交部によると、博物館は今月27日からヨハネ23世の貴重な地球儀に対し、韓紙を使って修復作業を実施するという。カトリック修道会の神言会からこの地球儀を贈られたヨハネ23世は、在任時(1958-63年)にバチカンの接見室にこれを置き、大切にしていたとのことだ。周囲が4メートルを超えるこの地球儀には当時の世界のカトリック教区分布図が詳細に描かれており、重要な文化財として評価されている。

 チャン・ジェボク駐ミラノ韓国総領事は「韓紙による文化財・古書画修復ワークショップが昨年開かれた時、これに参加した専門家が『韓紙ファンクラブ』を作った。そのうちの1人が今回の地球儀修復事業を担当することになり、韓紙が採用された」と説明した。

 外交部関係者は「国際的な影響力のある文化財修復専門家ネラ・ポッジ氏が主導する今回の事業は、日本が握っている文化財修復紙市場に新たな転機をもたらすものと見られる。年間数千億ウォン(1000億ウォン=約110億円)に達すると推定されるこの市場に、韓紙が初めて使用されることになったものだ」と話している。

李竜洙(イ・ヨンス)記者
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