【コラム】日本を愛したボーゲル教授の対日歴史批判

 しかし日本には、そんなボーゲル教授ですら一度も擁護しない一面がある。従軍慰安婦問題だ。ボーゲル教授は今月6日、日本のそうそうたる学者186人と共に、安倍晋三首相に向けて「従軍慰安婦の被害の事実を否定したり、取るに足らないとする行為は受け入れられない」という内容の共同声明を出した。学者たちは、安倍首相が今年8月に世界が納得できる「安倍談話」を出すことを訴えた。

 ボーゲル教授はなぜ、この声明に賛同したのか。昨年ボーゲル教授が朝日新聞から受けたインタビューに、教授の所信が現れている。ボーゲル教授は当時「日本が慰安婦問題について自己を正当化しようとしたら、国際的評価は落ちるだけ」と語った。記者は「日本は既に何度も謝罪したではないか」と問い返した。ボーゲル教授の答えは明快だった。「日本人には『悪いのは軍部であって、国民は犠牲者だった』という認識がある。周辺国の国民にとって日本人は攻撃者だった、という認識が足りない」。ボーゲル教授はユダヤ人だ。

金秀恵(キム・スヘ)東京特派員
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