釜山発下関行きの旅客船に15歳中学生密航者

 トップクラスの国家保安施設に当たる釜山港が、中学生によって突破された。この中学生は、韓国大統領府(青瓦台)・国家情報院(国情院)・国防部(省に相当)・原子力発電所などと同水準の警備が必要な、トップクラスの国家保安施設に指定されている釜山港の税関・出入国管理事務所などを何の問題もなく通り抜け、国際旅客ターミナルから日本行きの船に乗った。

 28日に警察が明らかにしたところによると、慶尚北道慶山の中学3年の生徒(15)は、終業式の日に当たる今月17日午後1時ごろ、列車のムグンファ号に乗って釜山駅に着いた。学期の初め、成績を改ざんしてきつく叱られたことがあるこの生徒は、1学期末になって成績が良くなかったため、両親に叱られるのを恐れて「島に行ってしまおう」と考え、ひそかに船に乗ることを決めた。この生徒は17日夜9時ごろ、釜山税関裏手の鉄門の下にできた30センチ程度の隙間をくぐり抜け、税関内に入った。続いて税関と出入国管理事務所の境界、出入国管理事務所と釜山港国際旅客ターミナルの境界に設置された高さ170センチのフェンスを次々と越え、下関に向かう旅客船(2万トン級)に忍び込み、トイレに隠れた。この生徒は、船の案内パンフレットを見て日本行きの旅客船だということを知り、また滞在中の経費に当てるつもりで、船内のカフェにあった8万2000ウォン(約8700円)を盗んだ。この船は17日夜9時ごろ出港する予定だったが、台風のため待機しており、乗客は乗せずに貨物だけを積んで、18日午前3時ごろ日本に向けて出港した。生徒は、18日午前7時ごろ甲板上に出てきたところを乗組員に見つかり、無断乗船の事実が発覚した。釜山地方警察庁国際犯罪捜査隊は、この生徒を密航取締法違反と窃盗の容疑で在宅のまま立件した。警察側は「釜山港保安公社の従業員の職務遂行が十分だったかなどを調べ、税関・出入国管理事務所・釜山港湾公社にセキュリティー対策を強化することを要求した」と語った。

釜山=権慶勲(クォン・ギョンフン)記者
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