【コラム】それでも韓国は日本に学ばなければならない

日本企業、長期不況中に技術力強化で経済支える
韓国、主力産業が次々とピンチ 対日貿易50年間毎年赤字
来月2日の韓日首脳会談では実利優先の柔軟なアプローチを

【コラム】それでも韓国は日本に学ばなければならない

 少し前、ある日本企業の創立記念行事に招待されて講演をした韓国の元経済官僚に聞いた話だ。世界各国に進出している海外支社長たちを含め、その会社の役員約100人を前に、世界経済がどのように動き、その中でどんな未来戦略が助けとなるかをアドバイスしに行ったのだが、逆にその会社に学んだことが多く、印象深かったと教えてくれた。

 その会社とは、偏光フィルムなどを製造している日本の化学企業「日東電工」だ。昨年の売上高は約8252億円。日本では売上高100位以内に入らないが、世界最大シェアの品目を持つ会社だ。創立97周年を祝い、創業の地にR&D(研究開発)センターを建て、今後の100年に向けてさらなる革新に備えていることに驚いたそうだ。

 草創期に絶縁テープを製造、現在は液晶表示装置(LCD)用偏光フィルムから犬の毛を取るテープに至るまで、約1万3000種類もの製品を手掛けている。ありとあらゆる製品に手を出しているように見えるが、実はこの会社の技術力はたった二つに集約される。フィルムと、そのフィルムを貼る接着剤だ。この技術を開発し続け、時代に合わせ随所に応用、世界のニッチ市場でグローバルな技術力を誇る「ニッチトップ(Niche Top)」になった。

 以前は日立の関連会社だったが、日本の不況期に独立、オーナーもない。それでも97年間の歴史で会長は10人だけだ。一番実力のある選手を選んでリレーに出場させるように、現会長が役員の中から次期会長候補を選んで社長に任命するというやり方で「100年企業」になった。この会社の初任給は日本の銀行員の初任給よりも高い月30万円台。45歳を過ぎると成果により給料が変わるのは当然だと受け入れる企業精神もある。

経済部=姜京希(カン・ギョンヒ)部長
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