韓日首脳会談:昼食会なしの安倍首相、焼肉屋へ

朴大統領の服装、国防関連の行事のときと同じ

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と安倍晋三首相による韓日首脳会談は、2日午前10時5分から1時間40分にわたって行われた。3年半ぶりの会談だったが、国賓としての訪問ではなく、懸案についてだけ話し合う「実務会談」だったこともあり、大統領府での歓迎行事もなかった。さらに共同での記者会見や記者発表文もなかった。

 この日の会談は昼食の時間の直前(11時45分)に終了したが、昼食会もなかった。その代り、安倍首相はソウル市鍾路区仁寺洞の飲食店で随行員たちと食事を済ませた。帰国後に日本テレビの番組に出演した安倍首相は「首脳会談を終えて大統領府を出る際、(朴大統領が)『これからどうされますか』と尋ねたのに対し『外へ焼き肉を食べに行く』と答えた。普通の飲食店に行くということに(朴大統領が)少し驚いた様子だった」と話した。

 朴大統領はこの日午前10時、大統領府本館で安倍首相を出迎えた。就任式や国防・安全保障関連の行事のときに主に着用した、濃い緑色のジャケット姿だった。先月31日の韓中首脳会談では黄金色、今月1日の韓中日首脳会談では赤のジャケットだったのとは対照的だ。安倍首相は朴大統領が見守る中、芳名録に「内閣総理大臣 安倍晋三」と署名した。

 続いて、大統領府の白亜室で非公開の単独首脳会談が行われ、外相など両国の中心的な閣僚だけが3人ずつ同席した。旧日本軍の慰安婦問題などデリケートな懸案をめぐり、相当時間を費やして対話がなされたとの見方が出ている。両首脳はその後、集賢室に移動し、45分間にわたる拡大首脳会談を行った。韓国側からは尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部(省に相当)長官とイ・ビョンギ秘書室長、日本側からは岸田文雄外相と萩生田光一官房副長官など、9人ずつが同席した。

 朴大統領はこの席で「日本にも、韓日関係は真実と信頼を礎(いしずえ)としなければならないという『誠信之交』を説いた先覚者がいたと聞いている。外交においては信頼が最も重要だと思う」と述べた。「誠信之交」とは、江戸時代の儒学者で、外交官でもあった雨森芳洲(1668-1755)が残した言葉で、壬辰倭乱(じんしんわらん、文禄・慶長の役)を批判し、朝鮮と日本の関係の回復を主張したものだ。

鄭始幸(チョン・シヘン)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい