「『帝国の慰安婦』は人格権・名誉権侵害、学問の自由を逸脱」

韓国検察、『帝国の慰安婦』著者の朴裕河教授を在宅起訴

「『帝国の慰安婦』は人格権・名誉権侵害、学問の自由を逸脱」

 従軍慰安婦を「自発的売春婦」「日本軍の協力者」と表現した『帝国の慰安婦-植民地支配と記憶の闘争』の著者、朴裕河(パク・ユハ)世宗大学教授(58)が、ついに裁判にかけられることになった。

 ソウル東部地検刑事第1部(部長:権純範〈クォン・スンボム〉部長検事)は18日「朴教授を名誉棄損(きそん)の疑いで在宅起訴した」と発表した。

 検察によると、朴教授は2013年8月に出版した『帝国の慰安婦』初版で、客観的資料に反する虚偽の事実を摘示し、元従軍慰安婦の名誉を棄損した疑いが持たれている。

 朴教授は『帝国の慰安婦』で、従軍慰安婦は基本的に売春の枠組みの中にいる女性や自発的な売春婦であって、日本軍に誇りを持ち、日本軍と同志的関係にあったという記述を行った。

 朴教授は、著書に「朝鮮人慰安婦の苦痛は日本人娼妓(しょうぎ)の苦痛と基本的に異ならないという点を、まず理解する必要がある」と記した。

 また「実際に金をもうけた人は少なかったが、基本的に収入が予想される労働であって、そうした意味では『強姦(ごうかん)的売春』もしくは『売春的強姦』だった」と表現した。

 検察は、著書の記述のうち、従軍慰安婦が「売春の枠組みの中にいる女性や自発的な売春婦」「日本軍に対する誇りを持ち、日本人兵士を精神的・肉体的に慰める同志的関係にあった」という部分について、客観的資料に反する虚偽の事実だとコメントした。

 検察は、従軍慰安婦は被害者であると認められ、日本軍に自発的に協力していないことは客観的事実であって、朴教授が虚偽の事実を摘示して元慰安婦の名誉を棄損したと判断した。

 検察は、1993年8月4日の河野洋平官房長官の談話、96年1月4日に発表された国連人権委員会のクマラスワミ報告、98年8月12日に公開されたマクドゥーガル報告、2011年の憲法裁判所決定などを根拠に挙げた。

 検察の関係者は「朴教授の表現は、被害者の人格権と名誉権に重大な侵害をもたらし、学問の自由を逸脱した。良心の自由、言論・出版の自由、学問の自由などは憲法が保障する基本的な権利だが、朴教授の表現は元慰安婦の社会的価値と評価を著しく、かつ重大に阻害するもの」と強調した。

 昨年6月、元慰安婦11人が「本を書いた朴教授と発行した出版社の代表を処罰してほしい」と検察に告訴状を提出した。

 検察は、出版社の代表については嫌疑なしとした。

チュ・ヒヨン記者
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