不参客:遅刻した客より次の客に席を回した店の方がひどい!?

専門家「韓国の消費者は客が無条件で強いと認識」

 韓国の20代、30代に人気のオンライン掲示板に先ごろ「30分遅れただけで予約を取り消した飲食店」というタイトルの投稿が掲載された。「用事があって予約時間を過ぎて店に行ったら、勝手にほかの客に席を回していた。腹立たしいが、どうすればいいか」という書き込みだった。すぐに店を非難するコメント数十件が寄せられた。「名前を公開して潰すべき」「消費者院に通報して見せしめに懲らしめるべき」といった、具体的な「報復方法」まで提案するコメントも少なくなかった。

 韓国で、予約をしておきながら連絡もせず現れない、いわゆる「ノーショー」(無断キャンセル)が先進国に比べ相対的に多い理由の一つとして、専門家らはインターネット上での誹謗(ひぼう)中傷をいとわない韓国社会の風潮を挙げる。とりわけ、レストランの予約をめぐるいざこざは頻繁にこうした悪評の対象になる。予約をすっぽかしたりドタキャンしたりして店側ともめた客たちが「予約を忘れていただけなのに、違約金を払えと言われた」などと書き込むと、店を攻撃するコメントや投稿があっという間に増える。

 クレジットカード会社の現代カードは2006年から、自社の上客が提携のレストランで代表セットメニューを半額で楽しめる「グルメ・ウイーク」というイベントを実施している。最初は一部のレストランが顧客に求める予約金(飲食代金の10-15%)を現代カード側が負担していたが、複数の店を予約しておいて連絡もせずに現れない客が続出し、2013年春のイベント時には予約不履行率が28%に達した。現代カードが負担した予約金はレストラン側が違約金として徴収する。これに耐えかねた同社は、13年秋のイベントから予約金を客に負担させるようになった。

 誠信女子大のホ・ギョンオク教授(生活文化消費者学科)は「韓国の消費者たちの間では客が無条件で強い立場だという認識が広がっており、予約を守らなくても責任をあまり感じていない」と指摘した。また、済州大のキム・ジョンスク教授(生活環境福祉学科)は「予約の不履行が消費者の権利だと言う人はブラックコンシューマー(悪質な消費者)に他ならない」と批判した。

イ・ミンソク記者 , オ・ロラ記者
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