【コラム】韓国の核武装論に日本が注目する理由

2年後に期限を迎える米日原子力協定
日本に与えられた「核主権」の特権の行方は
核主権のない韓国、「同盟の公平性」を叫ぶべき

 核カードとは核武装を始めることではなく「相手が核を選べばこちらも核を選ぶことができる」という能力を相手に信じさせることだ。こうした点でモデルになり得るのが日本だ。日本は発電用という名目で、核燃料であるプルトニウムを47.8トンも保有している。これは核爆弾6000発を製造できる量だ。日本の当局者はこれまで核武装を主張したことがない。かつて「非核三原則」を主張した首相は、退陣後にノーベル平和賞を受賞した。だが日本政府は核武装の能力をずっとちらつかせてきた。「(核武装)しようと思えばできるが、やらない」というわけだ。実際に日本の能力がどれほどなのか確認されたことはない。日本の立場からすれば、確認されては困るのだ。しかし世間は総じてその言葉を信じている。原料と技術力を握っているからだ。これが核カードというものだ。

 核カードはただで得られるものではない。東海(日本海)の沿岸にある福井県の海岸には、文殊菩薩(ぼさつ)の「文殊」を意味する「もんじゅ」という名の高速増殖炉がある。韓国ウォン換算ですでに11兆ウォン(約1兆円)が投入され、維持管理費だけで年間2000億ウォン(約200億円)も掛かる。設計段階を含めれば半世紀近くが過ぎたが、度重なる事故のせいでほとんど稼働できていない「幽霊原子炉」だ。それでも日本は諦めていない。「エネルギーの自立が必要不可欠」というのが表向きの理由だが、別の見方もある。「もんじゅ」を諦めれば高速増殖炉用として備蓄したプルトニウムを手放さなければならないため、この原子炉を抱えたままにしているのだ。日本はこのような原子炉の存在をアピールし、1988年の米日原子力協定でプルトニウムの導入と生産を容認してもらった。日本の核カードは米国からもらったわけだ。

鮮于鉦(ソンウ・ジョン)論説委員
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