【萬物相】お笑い韓国マラソン

 韓国陸上界は世界のレベルとはかけ離れた「孤島」とも言われている。苦労ばかりでカネにならない国際大会に挑戦するよりも、全国体育大会のメダルを取って楽に暮らしているのを皮肉ってのことだ。年俸1億ウォン(約900万円)をもらっている選手もいるし、チームを転々として契約金を稼ぐケースもある。「韓国新記録に何億ウォンという報奨金を懸けるのではなく、達成できそうな記録に懸けてほしい」という甘えた要求をする声もある。そして、派閥争いも絶えない。

 黄永祚(ファン・ヨンジョ)氏(1992年バルセロナ五輪マラソン優勝者)や李鳳柱(イ・ボンジュ)氏(96年アトランタ五輪2位)といった逸材を懸命に育成していた韓国マラソン界の成功モデルはもはや機能していない。有望選手の芽は早い時期に摘まれてしまう。小中の陸上競技大会にはプロサッカーやプロ野球のスカウトたちがやって来て、有望な子どもがいないかと目を光らせる。日本は10年以上にわたる長期プロジェクトで有望な子どもを見つけ、スター選手に育て上げる。日本に行けば、駅伝やマラソンに注がれる日本人の国民的関心が我々韓国人の想像をはるかに超えていることが分かる。故・孫基禎(ソン・ギジョン)氏(36年ベルリン五輪マラソン優勝)がもし見ていたら、お笑いのような今の韓国マラソン界を嘆くかもしれない。

閔鶴洙(ミン・ハクス)論説委員・スポーツ部次長
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