【コラム】明仁天皇と安倍首相

 安倍首相の望みどおりになれば、天皇は何も言えず、ただ存在するだけということになる。最近、明仁天皇は象徴としての役割を終えたいと爆弾発言を行った(原文ママ)。安倍首相の表情は固まり、右派は天皇が自ら声を上げたことに当惑した。日本社会の一部では、この出来事について、天皇が憲法改正に「ノー」を突き付けたものだという見方も出ている。

 憲法改正にどちらかといえば賛成の日本経済新聞は、先月9-11日に実施した世論調査の結果、安倍内閣の支持率が前回の調査に比べ4ポイント高い62%に達し、2年ぶりに60%台まで上昇した、と最近報じた。安倍首相は2020年の東京五輪まで首相を務めることを望むかという質問に対しても、59%が「望む」と回答した。このような安倍首相に対する支持傾向は、安倍首相の国政運営の方向について白紙委任状を渡したものではないだろう。天皇も委任状を渡してはいない。明仁天皇が退位を望む意向を示したことは、平和憲法が改正された後に起こり得る歴史の逆行に賛同しないという意思を示したものだとも考えられるからだ。

崔元碩(チェ・ウォンソク)国際部次長
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