【コラム】現代自労組が奪う将来世代の雇用機会

 蔚山のある地元紙にこんな記事が掲載された。「現代自労組が全面ストを実施した先月26日、蔚山近辺のゴルフ場は予約がいっぱいになるなど、時ならぬ活況を呈している」。この記事を読んで、ある読者から先日送られてきた手紙のことを思い出した。この読者は現代自のストライキについて次の通り書いた。「世の中にタダのものはない。誰かが得をする一方で、誰かが涙している。本社雇用の労働者が浮かれ騒ぎをしている時、非正規雇用の労働者や下請け会社の労働者たちが低賃金にあえいでいるから会社が成り立っている。私のような下請け会社の労働者の涙で、本社雇用の労働者たちは人生を楽しんでいる」。

 現代自は平均給与が年間9600万ウォン(約880万円、2015年基準)という高収益で安定した職場だ。現代自蔚山工場内の駐車場には「グレンジャー」や「ジェネシス」など庶民には手の届かない高級大型車が並んでいる。高い車を運転して平日ゴルフを楽しむぜいたくの裏には、雇用機会を奪われた将来の世代のため息や、骨身を削って働き搾取される下請け工場労働者たちの涙がある。

産業第1部=辛殷珍(シン・ウンジン)記者
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい