【社説】韓日GSOMIAのどこが日本の軍事大国化につながるのか

 韓国と日本は14日、東京で韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に仮署名した。高度化する北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応するため、2012年の中断から4年を経て協定締結を決めたのだ。韓国の野党は「崔順実(チェ・スンシル)氏問題の最中だというのに正気なのか」と反発し、国防部(省に相当)の韓民求(ハン・ミング)長官に対する解任建議または弾劾手続きも踏むという。国家の存亡に関する外交・安全保障上の事案と崔順実氏の国政介入疑惑を結び付けて反対したり、白紙に戻そうとしたりするのは、責任ある野党が取るべき態度ではない。揚げ句野党は、この協定を「乙巳勒約」(いっしろくやく。1905年の第2次日韓協約)になぞらえているが、誇張・飛躍も甚だしく、理性的には見えない。

 韓国は既にロシアを含む世界32カ国とこの協定を結んでおり、日本はおよそ60カ国と結んでいる。協定を結んだ国々は全て、売国行為をやったと言うのか。日本との情報共有が緊要になった理由は、北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の脅威だ。韓国は、北朝鮮の潜水艦を探知する能力がかなり不足している。一方日本は、高価な海上哨戒機を77機保有している。米国を除けば世界最多だ。また日本は情報収集衛星を5基、イージス艦を6隻、探知距離が1000キロを超える地上レーダーを4基、早期警戒機17機などを保有している。この情報を活用しないのなら、どうやって北朝鮮の核・ミサイルを防ぐのか、代案を提示すべきだ。

 野党は、協定で日本の自衛隊が韓国の領域に入る根拠が整備されると主張する。典型的な扇動だ。この協定は、交換された情報の流出を防ぐのが主目的なのに、どうして日本の軍事大国化につながるのか、理解できない。

 野党の一部には、韓米両国が来年までに配備することで合意した高高度防衛ミサイル(THAAD)や、開城工業団地の閉鎖にも崔順実氏が関与した可能性が高いとして、これを白紙に戻すべきだという主張もある。左派の気にくわない外交・安全保障上の事案に「崔順実事業」のレッテルを張って反対している雰囲気だ。国民の生命を放置して政治的ないたずらを働いてはならない。

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