制裁にあえぐ北朝鮮 外貨収入に2億ドル損失=韓国機関

【ソウル聯合ニュース】国連安全保障理事会が昨年3月に北朝鮮に対する制裁決議を採択してから9カ月間で、北朝鮮の外貨収入の損失は約2億ドル(約232億円)に上ったと分析された。韓国の情報機関、国家情報院所管の国家安保戦略研究院が10日、安保理決議の履行効果に関する資料を公表した。

 研究院は「制裁施行後の9カ月間(昨年3~11月)に(北朝鮮の)対中輸出と外貨稼ぎがそろって減少し、外貨収入に前年同期比約2億ドルの損失があった」と指摘した。この損失額は2015年の北朝鮮の輸出額の7.4%にあたるとした。

 外貨収入のマイナス分は、南北共同経済協力事業の開城工業団地の閉鎖によるところが最も大きい。対中輸出や兵器の販売、海運、労働力送出など外貨稼ぎのための事業全般で発生したという。

 また、北朝鮮を取り巻く貿易環境は悪化傾向にあると診断した。北朝鮮の核開発関連取引へのかかわりが疑われる中国企業が米国の制裁を受けたことを機に、米国と中国が安保理決議に違反する北朝鮮の行為を断つための措置に着手したためだ。特に中国はこの中国企業の取引の関係者や北朝鮮と取引する業者を対象に大々的な調査を実施し、北朝鮮向け貨物に対し全数検査も始めた。 

 東南アジア諸国も北朝鮮向け貨物を押収したり、主要船会社がコンテナのリースを拒否したりし、北朝鮮貨物の輸送に支障が生じているという。中国とロシアをはじめ、中東や東南アジアなどの銀行は北朝鮮業者の口座を閉鎖し、北朝鮮と取引する自国の業者の口座にも規制をかけている。

 研究院は北朝鮮が外貨稼ぎのため海外に派遣する労働者について、「中国やクウェートなど雇用する側の国が北の労働者の入国と滞在の規制を強化するなど、雇用を避ける雰囲気が広がっている」との見方を示した。

 一方、制裁開始後の北朝鮮の内部状況に対しては、「外貨収入のマイナス分を補てんするための上納金の随時強要や労力動員の拡大など、住民からの絞り上げが強まり、民心の離反が加速している」と指摘。党や軍など主要機関も資金難のために運営コストが足りず事業に支障を来たし、機関間で利権事業をめぐるあつれきが深まっているとした。

 研究院は「金正恩(キム・ジョンウン、朝鮮労働党委員長)の統治ストレスが増し、幹部の粛清を再開するなど恐怖政治が強まっており、幹部と住民に動揺が広がっている」とした。その上で、「北への制裁は北の経済だけでなく体制の安定にも影響を及ぼしているだけに、一貫して続けていくことが重要だ」と強調した。

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