中国軍兵士の遺骨返還、韓中関係悪化で先送り

 米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備問題により韓中関係が悪化している影響で、両国の軍事協力の象徴とされている6・25戦争(朝鮮戦争)参戦中国軍兵士の遺骨返還事業が中止となる可能性が高いことが31日までに分かった。中国側はこれまでと同じく遺骨の返還を受ける方針だったが、韓国政府はTHAAD問題の報復で悪化した国内の対中感情などを考慮し、事業を継続するか頭を痛めている。中国側は遺骨返還に向けた実務協議のため政府関係者の訪韓を打診しているが、これに韓国政府は今も明確な回答をしていないという。

 6・25戦争当時、韓半島(朝鮮半島)で戦死した中国軍兵士の遺骨返還事業は、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が2013年6月に初めて訪中した際に提案し実現したもので、その際中国の習近平・国家主席は心から感謝の意を表明していた。その後は2014年から昨年まで年明け早々に実務協議を行い、3月末ごろに遺骨が返還されていた。

 ある韓国政府筋は「THAAD配備が決定したことで中国は韓中軍事協力などを一方的に中断した。そのためいつもと同じく中国側の求めにばかり応じるわけにはいかないとの声が多い」「ただし事業を中断したからといって何も得られないとの分析もあることから、協議は今も続いている」と明らかにした。

金真明(キム・ジンミョン)記者
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