【コラム】サウジアラビア国王のアジア歴訪、韓国は素通り

 先日、本紙読者から「サウジアラビア王室の○○○が有力皇太子かどうか教えてほしい」という電子メールをいただいた。さて、困ってしまった。○○○はある韓国上場企業と深いかかわりを持つ人物だった。電子メールで個人的に教えても、それに対する評価が株式投資に反映されたり、ソーシャル・メディアなどで流布されたりする可能性があった。当選の可能性が高い韓国大統領選候補に関する情報がテーマ株の手がかりになるのと似ている。王政国家のサウジアラビアでは、王位継承とそれに伴う皇太子の序列など、王室の政治形勢によってテーマ株が変わる。1万5000人に達するサウジアラビア皇太子・王女のうち、誰がどれだけ権力の中枢に近いかを知ることは金脈地図を見るのと同じだ。

 このように「アラビア半島の金脈」を見つけようという人が出てきたのは、10年に一度あるかないかというサウジアラビアの王位継承が2015年に行われたからだ。サルマン・ビン・アブドルアジズ国王は就任後、伝統に基づいて弟を後継者に指名してすぐに廃位し、自身のおいと息子を皇太子と副皇太子にそれぞれ任命した。昨年8月には10年間以上も石油鉱物資源大臣を務めていたアリ・ヌアイミ氏を解任、国際石油市場を揺るがした。この2年間、世界各国が慌てて外交使節団をサウジアラビアに送り、首脳クラスの訪問を推進したのも、世界最大の産油国サウジアラビアの新王室とコネクションを作るためだった。

国際部=ノ・ソクチョ記者
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