【コラム】引退した孫延在に石を投げる人たち

 孫延在が朴槿恵(パク・クネ)大統領の処方せん疑惑にかかわったチャウム病院に通っていたことも非難の的となった。このため、「崔順実寄り」というレッテルが貼られた。けがや故障が付きものという種目の特性上、孫延在はチャウム病院のほかにも複数のリハビリ・漢方病院に通っていた。チャウム病院では主に食事メニュー構成の指導を受け、治療費も正しく支払っていた。同じ病院に通ったことが問題ならば、チャウム病院の患者は全員、「特別待遇リスト」に入れなければならないだろう。孫延在の引退宣言に対しても、一部には「今となってはひも(崔順実被告の人脈)が切れたので、逃げるように引退したのでは」と荒唐無稽(むけい)なことを言う人もいる。孫延在は五輪前から引退の意向を表明してきたという「ファクト(事実)」は無視しているのだ。

 世界の新体操界において、韓国は存在すらしない国だった。孫延在はそうした国で生まれた「突然変異のパイオニア(開拓者)」だった。7年間にわたり異国・ロシアで一日10時間というハードな練習をした結果が、韓国初のアジア大会新体操金メダルと五輪4位という成果だった。韓国人の誰も成し遂げられなかったことであり、五輪のメダルと同じくらい価値があることだ。

 孫延在はこのように屈辱的なレッテルを貼られたまま引退した。韓国の新体操界は再び不毛の地に戻った。開拓者を励まし、「孫延在キッズ」を育てるため力を入れても不十分だろう。こんなことをして私たち韓国人が何を得られるのか問いたい。

スポーツ部=イ・スンフン記者
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