【コラム】認知症を患う95歳・重光武雄氏を法廷に立たせた韓国社会

 家族が共に起訴され法廷に立つのは「逆差別」だとの同情論もある。ロッテは韓国政府の終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備政策に呼応し、ゴルフ場の敷地との土地交換に応じたところ、中国による集中的な報復にさらされている。10兆ウォン規模の中国事業が吹っ飛ぶ危機に直面しているが、グループトップは出国禁止措置で足止めされ、中国の現場を訪れることもできずにいる。

 昨年検察が辛格浩統括会長を取り調べると、日本でも話題になった。日本の雑誌「SAPIO」は昨年11月、「あまりに過酷な韓国の在日同胞差別」という特集記事で、ロッテに対する検察の捜査を在日同胞出身の企業経営者に対する差別だと非難した。

 SAPIOは「検察が検察幹部の金品スキャンダル、韓国の財閥企業に対する批判を免れるため、スケープゴートとして(在日同胞企業である)ロッテを選んだ」と指摘した。SAPIOは資本不足に苦しんでいた貧困国・韓国に日本で苦労して稼いだ資金を持ち込み、経済成長に寄与した辛格浩統括会長に対する韓国社会の評価の低さも批判した。1960-70年代、在日同胞の資本誘致のための政府によるさまざまな優遇でロッテが急成長したとの見方を指したものだ。しかし、ロッテが韓国に進出した当時、韓国政府はロッテだけでなく、国内の大企業にも投資を促すために優遇を提供していた。SAPIOの記事は一部に誇張、事実歪曲(わいきょく)、こじつけがある。しかし、韓国社会が「流通の巨人」辛格浩統括会長の功績に対する評価には消極的で失敗に対しては厳しいという印象をぬぐい去ることはできない。

車学峯(チャ・ハクポン)産業1部長
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