韓国大統領選:各陣営がフェイクニュース対策に本腰

 今回の大統領選挙はこれまでとは異なり「フェイクニュース」が大きな問題となっている。かつては候補者や政党が直接相手陣営の疑惑を暴露し、メディアがこれを報じる形が多かったため、真偽を判別する最低限の機能は作用していた。ところが最近はSNS(会員制交流サイト)の使用が一般化しているため、いわゆる「チラシ(私設の情報誌)」レベルの出所不明のフェイクニュースが選挙運動に影響を及ぼすまでに至っている。

 まず文在寅(ムン・ジェイン)共に民主党前代表の陣営はネットでの誹謗(ひぼう)中傷が深刻になっている事態を受け、今月初めに「フェイクニュース対策チーム」を新たに立ち上げた。このチームは現在「文候補はかつて日本が奪った200トンの金塊を所持している」「文候補の父親は6・25戦争(朝鮮戦争)当時、朝鮮人民軍の幹部だった」などの書き込みに対する法的な対応に当たっている。このフェイクニュース対策チームはいわばかつての「ネガティブ(誹謗中傷合戦)対応チーム」のような役割を果たしているようだ。

 また文氏陣営で選挙法などさまざまな法律に関する諮問や行政への対応などに当たる「法律支援チーム」も、最近は「真実チーム」を別途内部に立ち上げ、文氏に対する誹謗中傷があればそれに関する事実関係を直ちに調べ、資料を作成するなどの業務を並行して行っている。文氏陣営のある関係者は「フェイクニュースは100%虚偽というわけではなく、一部のファクトを巧妙に関連づけてそれらしく見えるようにしている。またフェイクニュースの内容を信じたい有権者は、事実関係を確認することなくこれを真実として受け入れ周囲に広めるケースも多い」などと伝えた。

 文氏と同じ共に民主党に所属する安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道知事と李在明(イ・ジェミョン)城南市長の陣営も、27日に行われる湖南(全羅南北道)地域での予備選挙が近づいていることから、フェイクニュースへの対応に力を入れている。一部では「フェイクニュースが広まる範囲やスピードを見ると、背後に何らかの組織的な動きがあるようだ」との指摘もある。とりわけ安熙正氏陣営の担当者は、ネットの掲示板などで安氏関連の記事に関する虚偽で質の悪い書き込みを監視することが主な仕事になっているという。

 この問題についてある政界関係者は「陣営が直接ネガティブ攻撃に乗り出すのは逆にリスクが大きく、このことは過去の選挙事例から分かっている。そのため陣営は直接前面に出ず、巧妙にフェイクニュースを利用するケースが多いようだ」とコメントした。

朴国熙(パク・ククヒ)記者
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